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東京の往復の新幹線の中で一気に読み終えました。
テレビでのコメンテーターとしてのコメントがすごく鋭くて,すごい人だなと思っていたのですが2006年に亡くなったのがとても惜しいです。
わかりやすい表現で,いろんな講演をしていたのですね。聞いてみたかったです。普通,文化講演会というと眠くなりそうなイメージですが,この本に掲載されている講演会はどれも面白い。
たくさんの知識,同時通訳としての経験や本当にたくさんのことを話しながらわかりやすく伝える。すごいと思いました。
印象に残ったのは,「第三章 理解と誤解のあいだ 通訳の限界と可能性」です。
〜コミュニケーションというものは,不完全なもので,完璧なものにするのは永遠に不可能です。しかし同時に,人間というのは,常にコミュニケーションを求めてやまない動物であるという確信が,私にはあります。たぶんそれが現在も通訳をしてる原因ではないかと思うのです。みんなが同時に笑えて,一緒に感動できる。いつもそれを目指しています。不完全だけれども,とにかくいつもそれを目指し続けるというのが,通訳という職業ではないかと思っています。」という締めの言葉ですが,自分だけ理解していてもコミュニケーションはできないんだなと。当たり前なんですけど,言葉にしなくては,伝えようという努力をしなくてはいけないものだと。黙っていては分かってもらえない。言葉にしても,相手に分かるように伝えなくては仕方ない。私の反省点です。
4つの講演会の内容,どれも本当に,最後まで飽きさせず,思わず笑いながらうならせる内容で,読んでいて時間があっという間に経ちました。
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一読の価値ありってこういうときいうのかしら。
とにかく一読しておけ。飽きさせはせん!
と太鼓判を押したいです。
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娘に「まぁ読んでみな」って薦めてしまいました。娘は第一章から食いついて来ましたが(男と女の事、気になるお年頃だものね)実は第三章のコミュニケーションについて、のほうもじっくり読んでほしいなと思っています。 そして〜いくら講演を聴いてみたいと思っても、もう聴けないのはとても残念な事です。
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米原万里が行った講演をまとめたもの。
女が本流で男はサンプルなど、独自の理論を展開しているが、興味深かったし面白かった。
日本の国際化とアメリカのグローバリゼーションの違いや、歴史的な背景から日本の国際化が孕む問題点を指摘。
概念を言語化し、さらに聞き手はそれを再概念化しているという、若干言語学的説明から通訳の介入における誤解の生じやすさ、通訳の苦労なども語られている。
今までで読んだ著者の本の中で、自身のプラハ居住経験や、ロシア語習得時の苦労、日本語の維持に役立った読書、帰国してからのロシア語の維持の仕方など、著者の経験が一番多く語られていた気がした。
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語学関係に進む人にはものすごくお勧めだと思います。「愛の法則」も面白かったのですが、国際会議における通訳の現状はショックでした。日本語だけが英語を経由されて翻訳されているので、図を見ると日本だけがはみ出し物扱いされているような気すらします。講演をまとめたものだと言うだけあって、親しみやすい文体で読みやすい。さくさく読めます。実際に講演を聞いてみたかったのですが、06年になくなられたそうで残念です。
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2007.8刊。「愛の法則」(2005.6.28)と「国際化とグローバリゼーションのあいだ」(2004.10.5)の2編は高校生向けの講演筆記。あっけらかんと「セックス」「寝てみたい男」などと連発しており、いかにも今風というところか。
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私は、語学雑誌に載るエッセイをいつも楽しみに読んでいましたが、昨年56歳という若さで亡くなられました。同時通訳者ならではの話が出てきて、かなり興味深いです。たとえばサミットで、日本語を訳す時、英語経由で日本語にされるという話。日本語だけ日本語には直接されずに、英語を介してされるのです。それは、サミット開催以来ずっとだそうです。米原さんは、それは、日本人が英語一辺倒になっていて、英語を重要視しているのを国際化と錯覚しているからだと述べています。外国語を身につける方法、プラハのソヴィエト学校での国語時間の勉強の仕方など、参考になることが載っています。米原さんは、いわゆる帰国子女ですが、帰国後もロシア語を忘れずにすんだのは読書のお陰と言われています。色々な文学をほとんど読破されている読書家のようで、魅力的ですね。
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米原万里の講演会の記録をまとめた一冊。出版社が付けたであろうタイトルはどうかと思うが自身の同時通訳の経験と国と国の関わり合い方、言語というものについて、男女の感情についてなど著者の持ち味である鋭い視点とユーモアを用いいて現されていると思う。通訳者らしく言語と文化に対する考えは一考ある著者らしく分りやすく簡潔に日本人と日本文化に対しての問題に一言もの申している。
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いくつかの講演をまとめたもの。これが遺作となるのかな?
外国語学習についての言葉などは、非常にポイントを得ている。そんでもって語り口が文字でおこされても面白い。
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気楽に読めて楽しい本でした。
ガンに冒されながら、青年たちに語るというバイタリティー、すばらしいです。
語学学習のヒントも満載です。
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晩年の米原万里さんの講演を集めたもので、話し口調がそのまま文章になっているので、とても読みやすかった。男女の法則の仮説はとても興味深いものだったし、また、言語やコミュニケーションに対するこだわりや、日本と外国を比較し、日本という国を客観視して述べているところは、同時通訳家ならではの広い視点で捉えられていて、狭い日本のことしか知らない私にはとても新鮮でした。
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4つの講演会の内容をまとめた本。
通訳、しかも英語ではなくロシア語の通訳者として活躍した著者だからこその指摘に納得するばかり。
年々英語重視の姿勢が強まる今こそ、彼女の意見に真摯に耳を傾けたいと思う。大事なのは言葉を忠実に訳すことではなく、その人の言わんとしている事を理解すること。それが真のコミュニケーションなんだよね。
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米原万里の本はおもしろいが、もし、あなたが最初にこの本を読むことは、おすすめしない。数冊読んだあとに、この講演集を読んでほしい。
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講演集。特に、表題の『愛の法則』は高校生相手の講演。悩み多い高校時代にこんな楽しい『愛の法則』を聞けた高校生は幸せだと思う。巻頭の池田清彦先生によると、生物学的にはアヤシイ説も語っているらしいが、これぐらいわかり易く楽しく男と女の役割を説明してもらったら、‘悩み‘も軽くなるんではないだろうか。
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「愛の法則」は1章、2-4章は言葉やコミュニケーションについて。昨今「法則」流行りなのでこのタイトルがついたのだろう。次世代のためのオスとメスの役割を分析した米原説も超面白いが、2-4章がまた「よくぞ言ってくれました!」の連続。 何でこういう人が早く逝っちゃうんだろう。こういう人のミームを次世代のために広めるのがせめて私のような凡人が担う役割なのかも知れない。
ところで、「フルジョワとフラレタリアート」ってそのまま「持テル人と持ッテナイ人」と訳せますね。オモシロイナー