大河ドラマの前に
2017/12/11 13:54
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投稿者:ZATO - この投稿者のレビュー一覧を見る
ご存知のように来年(2018年)の大河ドラマは「西郷どん」です。
例によって、西郷隆盛関係の書籍出版は相次いでますが、本書は西郷隆盛を島津斉彬の工作員として世に出たという捉え方で記述しており、他書とは一線を画す面白さだと思います。
特に後半は徳川慶喜、大久保利通を軸に西郷の立ち回りや行動を描くことで、西郷のみならず、慶喜、大久保の人間像もあぶりだしています。
幕末明治維新期に関心がある方は、大河ドラマを観る前に読む価値のある一冊だと思います。
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投稿者:451 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルが衝撃ですが、なるほど工作員ですね。ただし、工作員と言っても悪い意味ではない。
そして、本編のラストは反則!(涙)これが大河の原作なら絶対みる!テレビないけど…。
そういえば、本名があまり知られていないのと、本当の姿がわからないのは工作員だからなのか?
幕末の動きがよくわかる
2018/01/22 17:44
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:暴れ熊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
刺激的なタイトルだが、ほんとにややこしい幕末の動きを丁寧に書いてくださっている本だった。高校の日本史の副読本にしてもよいような、詳しい本であった。
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工作員にはお金がいる
お金をかけても工作したい動機がある
幕末の自然発生的な討幕活動はありえない
現代の安倍倒閣もお金をかけて工作を仕掛ける輩がいる
アベガーは狂信的で怖い(宗教のようだ)
情報弱者(新聞テレビのみが情報源)は工作員に操られる
我々も心して読む一冊
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憲政史家の倉山満による、西郷隆盛についての人物伝。
西郷隆盛ではなく、同時代の幕末の志士について分析しているので、とても勉強になった。
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倉山先生によるインテリジェンスとしての西郷像。歴史小説を読み終えたような読後感。敬天愛人の西郷さん、人の好き嫌いが激しくワガママな人間臭さでますます好きになった。 一方「竜馬が行く」を読んだ時の妙な違和感が、坂本龍馬=政治ゴロとの説明でなんか納得。 奇跡と呼ばれる明治維新は高杉、大久保の2人がいなければあり得なかったであろうとの見解も納得。 特に大久保の新政府からの慶喜の絶対排除、武士階級の徹底排除という強い信念にもとづいた国家観により明治という時代が作られた事に感動すら覚えた。大河、西郷どん楽しみ!
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読了。
西郷の人物伝かのような表紙だが、実際は西郷を狂言回しに維新前後の政治的カオスを考察したもの。具体的に維新後の日本をデザインしたのはVisionalist大久保であり、恐らく西郷はExcutorに過ぎなかったのだろう。ただ、西郷はAgitatorでもあったが故、維新前後で一見矛盾した行動を取ることになる。
ただ何故か、本書の考察で一番印象的だったのは徳川慶喜だった。頭脳明晰なれど、ビジョンのない天才が権力を握ると、途轍もない災厄を齎すという歴史の教訓でもある。
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伝説ではなく、人間として色々ムラのあった大西郷翁を描く。
短い。
第一感想。
あまりに魅力的過ぎて、倍以上の分量が欲しい。
革命家であり、人的魅力に溢れすぎてて、後半もうやる気なくしてる感じも。
大久保利通も、また、西郷との絡みで人間性を輝かせる。
いろんな人材が輝いて消えていった時代。
ちゃんと教えてやれよ。この時代を。
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最後は西郷と大久保の友情物語になっていた…。しかも主役は大久保っていう(笑)作者の大久保好きがここで出たのだと思う。
学ぶべきことは、やはり西郷が工作員として活躍していた前半期に多かった。
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西郷隆盛を工作員と明示した題名ほどには、中身に新しい驚きはなかった。
ただ、工作員という文脈で西郷を理解することで、彼の維新後の消沈と反乱が納得できるように思う。
加えて、筆者は西郷の本なのに、大久保利通の業績をかなり大きく評価していることが面白かった。
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島津の工作員としての西郷隆盛像は新鮮でした。公然の事実ではあるのでしょうが、明らかにそう銘打った本は初めて読みましたので。
そして、人の思惑とは、恋の熱情によって、あるいはつまらぬ思い違いによって、うまく運びもすれば、真逆にうまく運ばないこともあるのだなと、しみじみとしたものです。
嫡子と権力者の思惑よりも恋心が優先されたり、そうするしかないのだと互いに分かっていても、いざ戦い、訃報を知れば、顔をぐしゃぐしゃにして泣き散らかすほど、失い難い人を惜しむ絆があったり。なるほど、激動の帝国時代においても、あるいはそんな時代なら尚更なこと、人間らしい、現実的な落とし所を探しつつも、結局は愛情のために生きていたと伝わります。
るろうに剣心によって描かれたため、大久保卿の最期を知る人は多かろうと思います。あのとき、彼の胸元には、西郷さんの手紙があったのですね……。
渡辺惣樹さんの本を読んでいると、歴史を動かした男を操る美女たちの活躍ぶりは凄まじいものがあり、かつ、それに勝る友情の絆もあったと伝わりますように、倉山満さんの本書もまた、そんな妖しい関係と、ときめく絆模様を確かめられる名作だと思いました。
とはいえ、人物の評価は、なるべく私は現実的に、かつ感情に依存しないように気を付けているので、「エゴイスト」「政治的冷徹」など、繰り返し、一橋慶喜を人格否定している旨が記されているのは、何か、倉山満さんのシンクタンクの、背後にいる人間への忖度があるのかしら?と、少々訝しむ想いがありました。なんといっても、倉山塾のサーバー管理者が、確か、上念司氏ですものね。
私は、古びた官僚体制で、閉じた日本は、海外に乗っ取られていたであろうとは考えません。なんといっても、慶喜の血筋にあたる、蜂須賀正氏は、かのウォルターロスチャイルドと、文化教養、友情、そして打算的、現実的な交流を持っていたからです。互いにバードウオッチングが大好きであったらしく、趣味を楽しむ真の友情があったのは疑いもなく、一方、バードウオッチングは今尚、極左エリートに利用される側面がある以上、当時もそれらを利用して、互いに、英国と日本の『事実上の』頂点にいる血筋の実力、肚を探る思惑があったであろうことは想像に容易いのです。※カラスは飼えるか/松原始 参照
つまり、徳川も、世界を見ていたと言えます。
惜しむべき人が世の中から、そのとき亡くなるのか!とばかり、大勢失われてしまったことが悔やまれますが、それでも、白人秩序も、ユダヤ金融支配権力も、客家華僑資本権力も、ハートランドパワーも、中東諸勢力も、ヨーロッパも、そして、日本の神話たちも、絶対の普遍ではなく、揺らぎ、試され、より人にとってやさしいものに生まれ変わろうとしています。
日本が敗れ、水遁一号、農林十号がアメリカに持ち去られることによって、インドをはじめ、それらが輸出された国々は救われました。大勢の日本人の犠牲の末に、それを遥かに超える人口の餓死の運命を救ったと言えるのかも知れません。
第二次大戦で莫大なゴールドとFRBの利権を手に入れたアメリカ、正確には国際金融資本・ネオコンも、ポリコレや多様性の訴え(これ自体、プロパガンダなのですが。苦)により、白人秩序どころか、白山逆差別が始まり、自分たちのこれまでを振り返るようになり、互いにもうこんな差別の応酬は終わらせたいと願う人たちが増えているのです。
日本の敗戦もアメリカの勝利も、歴史の決まった事実ですが、そこから早くも80年が経ち、絶対だと思われた価値観は少しづつ変わり始めています。私はそこに希望を感じます。
ゆえに、そこに交換してくれた大久保卿、西郷さんには深く感謝を送りつつも、慶喜には不可能だったとは考えておりません。正確には彼の周りの忖度がそうはさせなかったかもしれません。令和の、自公立維が、グローバリストに飼い慣らされた売国奴しか、選挙に勝ち残れない残酷な様子にも似ています。※原口議員のような例外ももちろんいます。