坂本龍馬の映画史
著者 谷川建司
映像作品での坂本龍馬の描かれ方は大きく変わってきた。サイレント映画では阪東妻三郎や月形龍之介、榎本健一といったスターが龍馬を演じた。戦後しばらくは主役級が龍馬を演じること...
坂本龍馬の映画史
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商品説明
映像作品での坂本龍馬の描かれ方は大きく変わってきた。サイレント映画では阪東妻三郎や月形龍之介、榎本健一といったスターが龍馬を演じた。戦後しばらくは主役級が龍馬を演じることはなく、それを転換したのが司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』。土佐弁を喋る庶民的合理主義者として龍馬は映像化され一躍人気者となる。1970年代以降は革命家のイメージやテレビドラマでのヒーロー、パロディー作品など多様に龍馬は演じられていく。龍馬イメージの変遷に歴史観と時代の価値観の反映を見る。
目次
- はじめに/序章 龍馬はどんな生涯を送った人物だったのか? /我々はなぜ龍馬のライフ・ストーリーを知っているか/龍馬はなぜ通称である“龍馬”と呼ばれ続けるのか/龍馬は何を為したのか/改めて脚光を浴びることになった背景/第一章 戦前・戦中期の龍馬像/1 戦前・戦中期の概況/ほとんど残っていない無声映画時代の作品/龍馬を演じた戦前の代表的スターとしての阪東妻三郎/2 戦前・戦中期に製作された、龍馬を描いた作品/『坂本龍馬』/『エノケンの近藤勇』/『維新の曲』/『京洛の舞』/3 龍馬を描いた戦前・戦中期製作作品の特徴/第二章 戦後の昭和30年代までにおける龍馬像/1 戦後の昭和30年代までの概況/日本映画黄金時代に龍馬を描いた作品が少ない理由/龍馬=準主役級のスターや実力派脇役俳優向きの役? /2 昭和30年代に製作された、龍馬を描いた作品/『六人の暗殺者』/『京洛五人男』/『螢火』/『暗殺』/3 この時期のそれ以外の龍馬登場作品/『月形半平太』、『満月三十石船』、『風雲千両船』/『照る日くもる日』、『桂小五郎と近藤勇 竜虎の決戰』、『飛竜鉄仮面』/『女ざむらい只今参上』、『危うし!!快傑黒頭巾』、『風雲新撰組』/TVドラマ/4 昭和30年代に製作された作品における龍馬イメージ/第三章 『竜馬がゆく』と司馬史観/1 龍馬を国民的存在にした『竜馬がゆく』/司馬遼太郎と『竜馬がゆく』/竜馬=土佐弁を喋るキャラクター/2 『竜馬がゆく』の映像化作品/最初の映像化作品としてのMBS版/TVドラマ『竜馬がゆく』/3 『竜馬がゆく』のストーリー/物語1──江戸での剣術修行/物語2──土佐藩脱藩へ/物語3──勝海舟との出会い/物語4──神戸海軍塾/物語5──禁門の変/物語6──薩長同盟へ/物語7──海援隊と船中八策/物語8──大政奉還へ/4 『竜馬がゆく』に基づいた主な作品/NHK大河ドラマ『竜馬がゆく』/『幕末』/TBS大型時代劇スペシャル『竜馬がゆく』/テレビ東京新春ワイド時代劇『竜馬がゆく』/5 『竜馬がゆく』の映像化作品での龍馬の描かれ方の特徴/共通する特徴と作品ごとの微妙な違い/『竜馬がゆく』がもたらした決定的な影響/第四章 新左翼運動と革命家としての龍馬像/1 背景としての「新左翼運動」「全共闘」の時代と明治維新という革命/「新左翼」「全共闘」「内ゲバ」/新しい映画製作の形/2 「新左翼運動」の影響を受けた主な龍馬登場の作品/『竜馬暗殺』/『人斬り』/『竜馬がゆく』/3 土佐勤皇党や亀山社中における「内ゲバ」表象の特徴/第五章 変わりゆく龍馬像I──1980年代以降の映画&TVドラマ
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私の推しは「仁」の内野聖陽
2024/12/23 14:21
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ねたばれ
「汗血千里駒」という彼を主人公にした坂崎紫瀾の伝記小説が明治16年に刊行されて、幕末からそれまで忘却されていた彼の存在が再びクローズアップされて、戦前から映画で重要な役どころ(主役ではないけれど)で登場していたようだが、彼を決定的に幕末のスターナンバーワンに押し上げたのは、もちろん司馬遼太郎の「竜馬がゆく」だった、この小説で幕末の歴史を動かした英雄、彼の存在なくして薩長連合も大政奉還もなかった「歴史上の偉人」となったのだ。大河ドラマでも、相応しいとか似合っているかではなくその時々の旬の俳優が演じている、北大路欣也、藤岡弘、佐藤浩市、江口洋介、玉木宏、小栗旬、そして福山雅治、しかし私が一番好きな龍馬は「仁」の内野聖陽、泥臭く汚らしく、しかし爽やかに演じていた。