夏の匂いがする
【電子版巻末には岩倉しおり先生によるカバー用写真をそのまま収録!】恋とも友情とも言えない同性に強く焦がれる気持ちを描く、少女たちのひと夏の物語――。「制服を着ているときに...
夏の匂いがする
06/02まで通常1,815円
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商品説明
【電子版巻末には岩倉しおり先生によるカバー用写真をそのまま収録!】
恋とも友情とも言えない同性に強く焦がれる気持ちを描く、
少女たちのひと夏の物語――。
「制服を着ているときにしか聴こえない夏の音や、大人にも子供にも見えない夏の映像を、私たちはちゃんと日々感じながら生きていた。」
――瑠璃色を着ていた
「ねえ白、人はみんな、半分で生まれてくるのかもしれない。そしてその半分を、必死で埋めようとしている。」
――植物姉妹
……ほか、R-18文学賞優秀賞を含む、初期短編五篇を収録。
著者自らそれぞれの作品コメントも書き下ろしたファン必携の一冊。
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初期作品集
2025/03/29 19:49
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
目を閉じたらいつもそこに浮かんでくる、未完成な少女時代の夏の焦燥を惜しげなく描いた、耽美的な初期作品集。
憧れ、恋、愛―――同性間のまだ名前も付けられないような曖昧な感情が、生まれては流動していく。その貴重な一瞬一瞬をとらえて解き放つ、身を削る芸術のような5つの短編集。
眩しいほど色鮮やかで、それぞれから音やニオイや温度も感じられ、繊細さと大胆さの共存がとても心地好かった。
ちっぽけな世界を自分たちで広げてやったような錯覚や、そのくせ変化に怯える矛盾だったりを、痛みをともないながら曝けて受け入れあっていく。優しさの定義や、悲しみの乗り越え方など、独自の視点で先へと促してくれる「植物姉妹」に一番心を掴まれた。
「ラメ入りの声」など、天性のセンスが光る表現が作品とマッチしているのもめちゃくちゃエモい。
R-18受賞作は官能的な要素を残したままマイルドなタッチになっていて、オリジナルと読み比べてみるのも面白い。
すべてに著者の解説があり、作品を自分なりに感じ、解説を読み、そしてもう一度新しく感じる事が出来るのも魅力。