beniさんのレビュー一覧
投稿者:beni

Life 線上の僕ら (花音コミックス)
2019/05/13 01:45
高品質BL作品
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
皆さんがレビューで書いている以上のことは書けそうにないので、
ここでは常倉三矢氏の漫画について。
この方、漫画が上手いと思います。
コマ運びというのか、一見ムダと思えても、それが無いと場面が性急で深みのないものになってしまうというコマがあり
(最近はそれが省略されているマンガが多いと感じますが)常倉三矢氏の漫画には、それがきちんと入っています。
なので安心して読むことが出来るし、情景がスムーズに頭に入り、話の流れに自然に乗ることが出来ます。
作者の天性のものだと思います。常倉三矢氏の作品には大満足でした。
この「Life 線上の僕ら」は、読む度に泣いてしまうので、最近は「咬みつきたい」の方を読み返しています。
2024/11/22 19:36
いよいよ話は深まる
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
昭和から平成、令和に至るまで
人の結婚観は自由になる一方で、それは良い事のようだが
実際は、明治・大正・昭和初期~戦前の結婚観のほうが、
人は幸せになれたのではないかという気がする。
こちらの姫子と文治の2人を見てると、特にそう思う。
愛らしく純粋で15に満たない姫子と、30歳男盛りの文治氏。
あの時代なら本当にこんな縁がありそうだが、現代なら有り得ない。
ある意味、とても自由ではないか。
大正時代の持ち物、道具、人々の暮らしの様子なども興味深い。
作者、しばらく病気で休筆しておられたらしい。
恙なく6巻目突入で、健康回復を寿ぐものなり。
2023/07/01 03:21
気風のいいアネゴが霊能者
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
実在の人物がモデルだそうだが、近年発表された霊能者漫画のなかでは
最も気に入った作品の一つである。
何といっても、タバコをくわえた毒舌家の女性、強制除霊師・斎氏の魅力が大きい。
「強制」除霊師とあるように、ほんとに強制的に、力づくで除霊しないと
対処できない厄介な霊というのも相当あるようだが、絶対、敗けないだろうこの人、
と思わせられる、なかなか頼もしい、キップのいい姉御肌の主人公である。
霊とて、元は生きてた人間である。
思いを残すと、ヤバいときにはこうなるのだと、一つひとつの作品で実例を挙げて示されたようで
ああ自分の葬式が終わった後でも、人間の修行はひたすら続くのだと、
ちょっぴりやりきれない気もしたが、こちらのそんな気持ちさえ
一刀両断、すかっと消滅させるような、斎氏の活躍は清々しくて爽やかに感じた。
いや怖いシーンはあるよ。あるけど斎氏の魅力のお蔭か、それほどオドロオドロしくは感じない。
てきぱきと判断し、行動は断固として素早く剛毅果断。いいねえ。
と、いうことで、次巻以降も愛読中。
2021/12/27 22:27
大好きな作品
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
これを読んだのはかなり前だが、一読して作者の大ファンになった。
アニメも観てた。ケミストリーが主題歌を歌っていて、こちらも大好きだった。
あれは一体何年前になるんだ?
原作は今も変わらない。一ページ目からその世界に惹きこむ。

日本が消える日 ここまで進んだ中国の日本侵略
2021/12/12 23:11
超リアルな本
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
【ミステリーでもなければ、ホラー小説でもない】
だから怖いんじゃないか。
自分の家の周りにも沢山、引っ越してきている。
なので、ここに書いてあることは全部、本当のことだと分かる。
共生とかグローバルスタンダードって今のこの状態とは違う事ではと
考えるきっかけになると思う。
出来ればこの本、中高生に読むよう学校で指導してもらいたい。
2025/01/02 23:00
お待ちかねの
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
月の精に相応しい壬氏さまの艶姿が、ようやく見られたこの巻は
やはり描写に力が入っていると思える。
猫猫はいつも通り淡々としているが
仕事を終えた壬氏の髪ぐらい、進んで拭いてやれやと思う。
壬氏は一番の功労者なんだし、しかも高貴な身分の御方。自分で拭くかよ。
そもそも猫猫は下女の身分だろう。え~とか言わずに。頼むで。
2024/12/11 22:44
表現しつくせぬ情感
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「同棲時代」とは、私が子どもの頃、持てはやされたワードだった。
同名の歌謡曲が、ラジオから流れていたが、
まさかあの歌詞が、漫画に載っていた科白そのまんまだったとは
今日この作品を読むまで全く知らなかった。
同棲とは、昔は密やかで秘めやかな、余り人に言えない関係だったのだ。
その時代背景を頭に入れて読まなければ、この二人が何を悩んでいるのか
ところどころで分からなくなる。
その時代的なギャップを越えても、この作品はいつまでも読み継がれていく作品だと思う。
作者の素晴らしい感性が、そのまま流れ出て紙面の上で形作られたような
流麗なタッチと、セリフ回し。幾度も情景を噛みしめつつ読み返したくなる。
この関係がどこへ行くのか、どのようなラストシーンを迎えるのか
どのコマにも目が離せないまま、物語に運ばれていく快感。
2021/12/04 21:17
祝・復刻
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
復刻されたのは2017年だが、やはり祝いたい。
これ中学生の頃、むさぼり読みました。
学校の勉強より多くのものを知った気がする。
この作品には必ず生頼範義画伯のイラストでなければならない。
一緒に復刻してくれて有難う。
2021/09/26 01:11
色褪せない名作
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「Z(ツェット」のシリーズは全て読んだが、アネリーゼが出て来るこの作品は特に印象に残っている。
ツェットの好青年ぶりが良く伝わると同時に「エロイカより愛をこめて」の一作へ繋がる作品でもあるからだ(確か少佐の家でジェイムズ君が勝手に上司のお誕生日会をセッティングした回)。
青池作品は今も色褪せない。
個々魅力的な登場人物のほか、巧みなストーリーテリング、絵の上手さ、数え上げればキリがない。
ツェットのシリーズは長く新作が出ていないが、すっかり社会情勢が変わった現在では、舞台背景を繋げるのが難しいのかなと考えたりする。
だが、もし、良かったら、と心から期待しているのだが。

読書は1冊のノートにまとめなさい 完全版
2020/05/27 00:36
役立つ本
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
自宅で増え続ける本をどうにかしないとと思って買った本。
とてもとても役に立った。
著者が書いてる通り、自分の頭に残っておけばいいので
ノートに記録すれば読了した本を処分できるようになった。
著者も家にある本をどうにかしたくて、実践してきたことをこの本にまとめたとある。
頭のいい人なんだなと思った。
本に書いてくれたお陰で助かりました。ありがとう。

13階段
2020/04/22 21:17
手慣れた文章
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
デビュー作だそうだが、とても文章が巧い。
お陰でさくさく読めた。
死刑制度は必要と私は思っているが、現実、囚人の首に縄をつけたりする実務の方の気持ちまでは、確かに考えたことがなかった。
それほど魂に傷を負う人もいるのだとも、また想像したことがなかった。
だって仕事でやってることで、そんなの貴方が「殺す」わけじゃないのに、そこまで気に病まなくても、と
そんな在り来たりの慰めの言葉は聞き飽きているのであろう。
人は皆んな、どこか心に傷を抱えて生きているものだが、この主人公2人のそれぞれの傷が殊更に痛ましく思えた。
死刑囚の刑場での扱いについて、ちょっと付記しておきたい。
刑場に入り、首に縄をかける前に好きな物を食べていいと色んな食べ物を用意しているそうだが、人が見ている前で食べろって?なんかイヤだ、そんなの。
最後の食事は、前日に済ませてやって欲しい。
規則がこの小説の通りか知らんが、もしそうなら改定してやってくれ。

黒後家蜘蛛の会 新版 1
2019/10/02 00:54
文句なしに面白い
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
旧版で全巻読んだ本。
SF作家と思っていたアイザック・アシモフのミステリーというのが意外で
何気なく手に取って、たちまちハマってしまった。
文句なしに面白い。
素朴な疑問、何故この会の名称が
「黒後家蜘蛛の会(ブラック・ウィドワーズ)」なのか?
その理由が小説内にあったかどうか忘れた。
それを確かめるためにも、もう一度読んでみたい。
新版のマグリット的な表紙の絵は、小説の雰囲気によく合っていると思う。
余談だが、かつてこの小説の何篇かがNHKFMでラジオドラマ化されたことがある。
ヘンリー役が久米明氏で、ピッタシだった。
あれももう一度聴いてみたいが、無理だろうなあ。

孫と私のケッタイな年賀状
2019/06/25 00:23
由緒正しき日本の乙女
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
良くこれほど沢山、撮影のネタを思いついたものだと感心させられる。
さすがは女流作家、と言うのは簡単であるが、
孫にも負けず自分が赤い傘
(骨が折れているのを喜ばれたという)を差し
ドラキュラに襲われるお孫さんは必ず金髪でなくてはならず、
面白くないものは断固としてボツにする。
こういうことにカネは惜しまぬ。
ただ、己の感性にそぐわないものは、そぐわない。
その心意気やよし。
この方に、現在の巨大市場となったコミケ、
同人作家達に脈々と流れているのと同じ感性を見た気がする。
まこと大佐藤愛子氏は由緒正しき日本人女性である。
時代が違っていても違う形で、やはり世に出ておられた方であろう。
孫の桃子嬢の
「(撮影は)お正月を迎えるための年中行事だと思っていたから、
他所のうちではやらない、ということも知らなかった」
という言葉が可愛いいやら可笑しいやら。
どうか佐藤先生、いつまでもお元気でいて下さい。

咬みつきたい (花音コミックス)
2019/05/14 23:30
ある意味マウントの取り合い
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
一口に恋愛つーても、甘く切なく苦しい といったものだけではないわけで。
この著書、スリリングな恋心と共に、競い合い出し抜きあう、ライバルとしての緊張感を抱き合い、それでも恋愛関係を深めていってしまうという、端から(読者から)見てると、大変、面白いストーリーでした。
個人的には後輩君の恋愛まではいりません。
主人公2人の行動に的を絞って欲しかった。
コミック最後にある書下ろし「I.am」が必見。
自分がこうすると決めた事を、おこなって行く。
そうやって、爽やかに人は生きていくのですね。
作者の気が向けばですが、続編を描いて頂ければと思ってます。

るきさん
2019/04/14 01:07
和やかで確かな人生
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ここ10年来の愛読書なのだが、この漫画の最初の日付が 88.6.2 となっていて、その度に驚く。
バブルの時代から、こんな女性像を描けた高野文子氏は、噂通り天才なのであろう。
何度読んでも飽きないのは、ストーリーの軽妙さもあるが、絵の上手さもあると思う。
何も精緻に描きこまれた絵だけが巧いのではない。
肝心な線だけ残して後はデフォルメ
これが出来る人が漫画が上手い人なのだと、つくづく感じる。
軽妙洒脱という言葉を、この作品に贈りたい。
こういう本に巡り合えた自分は幸運である。
一人で生きている、生きていきたい、特に女性へ。
人生の道連れに是非「るきさん」を。