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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
熊吾が還暦を前に、体が衰え、運にも見放されもがき苦しむ姿が人間ドラマとして読み応えを増している。
今までは成功、失敗、裏切り、闘いの物語に様々な魅力的な人物や嫌悪したい人物が出て来て、エンタメ小説として楽しめた。
しかし、ここにきて熊吾は自分の今までの行動や仕打ちに対し、己を見つめ、それがどんな思いを感じさせたのかに慄いている。
そして、自分がこれから家族を養える事業を成功させる事が出来るのかに、初めて怯えている。
さあ、これから家族と熊吾にどんな人生が始まるか楽しみ過ぎる。どんな運命でも熊吾と一緒に戦い抜く気持ちです。
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「流転の海」第四部。相変わらず平和が訪れない熊吾の周辺。先が読めないおもしろさ!早く続きが出ないか、待ちきれない思いです。。
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松坂熊吾一家を描いた昭和初期からの物語。作者の父親がモデルといわれている熊吾。その息子信仁は作者自身がモデルか。第一部から第四部までですでに20年にわたって書かれている。あと2−3部はあるようなので、さらに10年かかるのかどうか。ここまできたら最後まできちんと読みたいものである。第四部は熊吾一家とは縁もゆかりもない富山での生活についての話。一家は皆が一緒の方がいいと思わされた。【2007年2月11日読了】
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このシリーズは一気読みが一番..
だけど、なかなかでない第5段。
待ってます、待ってますよ、輝先生。
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流転の海 第四部
第一部発行から20年が経っているという。
偶然ながら、宮本輝氏が第一部を書き始めた年齢に自分がいる。
熊吾も変わってきてるし、当然作者の変化もあるのだろう。
でも、芯はやはり変わってない。
『心根』 大事ですね。
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宮本輝「流転の海」シリーズの2部、3部、4部にあたる「地の星」「血脈の火」「天の夜曲」読了。
完結予定は6部となっていますが、まだ熊吾の息子伸仁が9歳、
このままだと8部くらいまで行くんじゃないでしょうかね。
4部までくるのにほぼ20年かかっているのでまだまだ先は長そうです。
この2月から「宮本輝」三昧の日々です。
「草原の椅子」「にぎやかな天地」等は宮本輝さんの明るいイメージの作品でこちらの方が個人的には好きなんですが自伝的物語のこれらの作品をを読まないと宮本輝は語れません。
まだまだ宮本輝制覇にはほど遠いです。
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熊吾がどんどん転落していく。人生ってこんなもんなんだよな・・・悪いことが一つ起きると、連鎖反応でまた次の悪いことが起きる。
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昭和31年、熊吾は大阪の中華料理店を食中毒事件の濡れ衣で畳むことになり、事業の再起を期して妻房江、息子伸仁を引き連れ富山へ移り住む。が、煮え切らない共同経営者の態度に、妻子を残して再び大阪へ戻った。踊り子西条あけみと再会した夜、彼に生気が蘇る。そして新しい仕事も順調にみえたが…。苦闘する一家のドラマを高度経済成長期に入った日本を背景に描く、ライフワーク第四部。
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流転の海シリーズ第四部。
齢50にして長男を得た熊吾さんと家族の周囲には
多種多様な人間と世の中の泥と光が混在していて、
このシリーズはいつも色々と考えさせられてしまう。
たぶん第一部だったと思うが、
「美しい蓮は泥から咲く」とかいう言葉は
かれこれ10年くらいたった今でも、
まだ時折思い出すほど鮮烈だった。
冒頭の富山へ向かう電車のシーンだけ
記憶に明瞭に残っていたが、他はすっかり忘れていた。
というか、第三部までの流れもあやふやだが、まあいいでしょ。
今回も印象的な言葉がたくさん散りばめられていた。
特に、熊吾が息子の伸二に伝えた
「これが大事だ」というシンプルな言葉が力強かった。
伊予弁がかもし出す雰囲気がこれまたいい。
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「約束は守らにゃあいけん」
「丁寧な言葉を正しく喋れにゃあいけん」
「弱いものをいじめちゃあいけん」
「自尊心よりも大切なものを持って生きにゃあいけん」
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口頭で伝える言葉の大切さ。
その言葉の重み、わかりやすさ、そして
かめばかむほど味が出そうな深さ。
自分のDNAを引き継いだ我が子へ
自分のココロや人生の芯をいくばくかでも
伝えたい、残したいという
その熊吾の想いと愛情に胸が熱くなる。
その伸二は今9歳。
やがて思春期に入り、反抗期も来るはず。
いずれ、老いつつある(?)熊吾という大きな壁と
正面からぶつかりあう時がくるのか。
家族以外の人間からもたくさん手を差し伸べてもらえそうな
ノブちゃんなので、心配はしていないが、気になる。
あとがきの対談で全六部の予定との記述があり、
熊吾は伸二が21歳で亡くなるとも書いてあった。
続きが楽しみだが、この話が終わってしまうのは
やだなーという意見についうなずいてしまった。
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本屋さんで第5部を発見。仕事に追われている間に4部も出てたんだと、時間の流れに思うものあり。やはり圧倒的で。出会えてよかった本。
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遂に四部まで到達。昨日つい最近文庫化された五部を買った。文庫本購入も久しぶり。次、次へとひきつける魅力がこの「流転の海」にはある。さて物語。富山で違う展開を目論んだ熊吾だったがうまくいかない。彼の陰りが如実になるのがこの四部。海老原太一のところへ名刀を買い取ってもらいにいくシーンはとてもしんどかった。柳田の隆盛もつらいものがある。そんな中、破傷風から少女を救った対処はいんちき医者時代のこともあるが、心底救われた感じがする。「自尊心より大切なものを持って生きよ」四部で繰り返されるこの言葉。釈迦が多くの面前で提婆達多を叱責した話の引き合いででてきたこの話、自尊心は大切なものだと思うゆえ今ひとつぴんとこないところがある。他、百合と観音寺ケンの生き様や、西条あけみにまだいくか熊吾よという思いや、房江の崩れ方が気になる。さぁ五部いこう。
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6月8日~13日
昭和31年、熊吾は大阪の中華料理店を食中毒事件の濡れ衣で畳むことになり、事業の再起を期して妻房江、息子伸仁を引き連れ富山へ移り住む。が、煮え切らない共同経営者の態度に、妻子を残して再び大阪へ戻った。踊り子西条あけみと再会した夜、彼に生気が蘇る。そして新しい仕事も順調にみえたが…。苦闘する一家のドラマを高度経済成長期に入った日本を背景に描く、ライフワーク第四部。
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第4部は富山編、ということでしょうか。
しかし富山での生活には早々と見切りがついちゃってますね。
人生いいときも悪い時もあるけど、たぶん悪い時のほうが長い。
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食中毒騒ぎで店をたたむことになるとは。
心機一転富山で事業を始めることにするのだが、相手が今ひとつ乗り気でないというのか度胸がないというのか。それに熊吾が辛抱できるわけもなく房江と伸仁を残して大阪へもどることに。残されたほうとしては、一緒に生活したかっただろうし、残していくほうとしては仕事の目処がつくまでは他のことは考えたくなかっただろうし。
伸仁は細っこいイメージだけれど、根性があるおもしろい子。
なんとも雲行きの怪しい4部ではあったけれど、人生山あり谷ありということだろう。
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新しい土地で再出発したのに、次から次へと失敗。離れ離れになった家族はそれぞれに苦労しながらなんとか一年を過ごす。特に主人高の妻の孤独さの表現はなかなかで、今まで激動だった前作より心の深い描写が際立っていたと思う。