オカルトな古き良き舞台設定
2012/03/21 14:41
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koo± - この投稿者のレビュー一覧を見る
「蒼ざめた馬」とはヨハネの黙示録に出てくる死者が乗る馬。怪しげな館が舞台の海外古典ミステリです。ホラー・オカルト色が強いですね。古き良き舞台設定。真犯人を暴くシーンは不意打ち感抜群。驚けます。
撲殺されたゴーマン神父の靴の中には九人の名が記された紙片が隠されていました。若き考古学者マーク・イースターブルックは調査を進めるうちにマッチ・ディーピング村の「蒼ざめた馬」という古い館にたどり着きます。村人からは魔女と呼ばれる怪しげな住人たち。彼女らが呪いの魔法で連続殺人を実行しているというのです。果たしてその真相は・・・。
先日からトライしている海外古典。今回も登場人物が多くて苦労しました。相関関係をメモしながら、なんとか読了。ハァ、いつになったら慣れることやら・・・。
少々頼りないマークとヒロインであるジンジャーのじゃじゃ馬っぷり。おしどり探偵がお約束っぽくていいですね。ラストシーンもベタで微笑ましい。
ノンシリーズなのでポアロもマープルも出てきません。代わりに最近お気に入りのオリヴァ夫人が登場。残念ながらオブザーバー的な役割でしたが。前回読んだ「「死者のあやまち」のエピソードも文中で語られます。マークのいとこのローダと夫のデスパードは「ひらいたトランプ」にも登場。ファンにはニヤリと嬉しい設定です。
トリックとしては微妙。されどオカルトを科学的な真相で着地させるという点では、昨今の理系ミステリの先駆者的な役割を果しています。
新訳だったので、文体としてはやわらかく読みやすい部類でした。言い換えれば仰々しい設定のわりに、おどろおどろしさや重厚さが希薄。新訳の効果が少々裏目に出ているのかも。機会があれば旧訳も読んでみたいですね。
※「です・ます調」レビュー100本ノック。26本目。
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
ポアロもミス・マープルも登場しませんが、オリヴァ夫人やひらいたトランプの登場人物が出るところが好きです。
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ポアロもマープルも出てきませんが、オリバー夫人や「ひらいたトランプ」の登場人物の再登場がうれしい。神秘の名を借りた連続殺人。大きな事を言うヤツほど、ろくでもない野郎なのだ!
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霧の夜、神父が撲殺され、その靴の中に九人の名が記された紙片が隠されていた。そのうち数人が死んでいる事実を知った学者マークは調査を始め、奇妙な情報を得る。古い館にすむ三人の女が魔法で人を呪い殺すというのだ。神父の死との関係を探るべくマークは館へ赴くが…。
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霧のたちこめる夜、ロンドンで撲殺された神父は、靴の中に奇妙な紙切れを隠し持っていた。そこには9人の名が書かれており、しかもそのうちの数人はすでに謎の死を遂げていた。
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また、気持ちよくダマされた! やはり、クリスティはいい。ああいう都合の良い毒薬が本当にあるのなら、のハナシだけれど。あの秘書はいつから秘書だったんだろう? 読み込んでいないからか、少々矛盾…だけど、読み返していたら面白みがなくなるよな。まだまだ読んでいないクリスティはたくさんある。楽しいなぁ。(2009-01-09L)
英BBC制作のドラマ版を視聴。読んだのが13年前なので、内容をスッカリ忘れていた。気持ちよくダマされた、という自分のレビューを読んで、爽やかな視聴後感を期待していたら、“イヤミス”な結末に改変されていて残念。いらんねんそういうの。あと数年経って、ドラマの内容も忘れたころに、また読んでみるか…。(2022-09-16加筆)
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The Pale Horse(1961年、英)。
ノン・シリーズ。クリスティ後期の作品で、オカルティックな異色作。
2人の女性がカフェで大喧嘩を始めた。偶然その場に居合わせた主人公は、数日後、片方の女性が若くして病死したことを知る。さらに数日後、神父が殺害される事件が発生。神父が隠し持っていたリストに、死んだ女性の名が書かれていたのを知った主人公は、調査するうち、人を呪い殺せるという魔女の噂を耳にする…。
伏線の妙を楽しむ一冊。魔術的世界に引き込まれていく主人公の心理描写がスリリング。ミステリと関係ない分野で、あっさりとネタバレされていることがあるが、できれば予備知識なしに読みたい。
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映像化はしてるのかな?映像で見たい!と強く思いました。
例によってオリヴァ夫人が美味しいとこどりしてます。
ポアロがあんまり登場しなかったのが残念。
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タイトルといい、表紙の感じといい、ずっと読みたいと思っていたのでようやく読了。
とにかく面白かった!!!
すごい!
みんな読んでくれ。話したい!これで読書会開きたいが、長いし、面白くなるまで辛抱強くないと駄目だなあ。
戦後のイギリスっぽさがまた勉強になるなあ。と思った。
クリスティはやはり面白いなあ。
追記:
以下あらすじです。
魔術によって遠くから殺人を行うという三人の老女たち。
なぜなのか。
また、死神を乗せてやってくるという”蒼ざめた馬”。
これだけ魅力的アイテムがそろった小説には興奮を隠せませんネ!!!
また読みたいなこれ。
読んだ時、わたし素で「え?(°Д°)」って言いました(笑)
あの感覚は忘れようもない。
2011・07・16(羽村)
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たしかに悪ってかっこわるいですね!賛成!
とクリスティに言いたくなる話だった。
<あらすじ>
考古学者マーク・イースターブルックは『蒼ざめた馬』という言葉が何人もの人の死と絡んでいることに気がつく。
それはマッチ・ディーピングという田舎町の古い家の名前で、
村で魔女と噂される3人の女が住む家だった。
一体彼女たちは何を知り、何をしているのか?
クリスティは冒険小説も数多くものしているけれど、
これもオカルト趣味的な面はあるけど基本的にマークが主人公の冒険ものと言っていいかもしれません。
強引にテーマを選ぶなら多分それは『悪の空疎』さでしょうか。
冒頭から、悪の魅力について何度も触れられています。
ですが話が進む中で、だんだんと悪の持つ不恰好さ、卑しさを解説していきます。
作中人物の一人で、『蒼ざめた馬』がある村の牧師夫人は
『悪が自分を必要以上に自慢するのは、その悪そのものが、目的の無いものだから。人に賞賛されなければ意味が無くなるものだから』
と言っています。
"悪事"の全てが無目的とは思わないけれど、確かに目的の無い、人に凄いと思われるためだけの悪には当てはまるかなあとおもいます。
自分に酔って客観性を失っているところは厨二病っぽいかも。
逆に、『本当の悪は絶対自慢しない』とも言われているし、
それについては言及されていません。
クリスティの作品にはときどき自分の頭の良さを証明したいが故に大規模かつ組織的な犯罪に手を染める人がいるけれど、本作で指している悪はそういう人なのでしょう。
クリスティの倫理観が現れているのかもしれません。
1961年の作品だそうですが、ビートニク世代の服装や生活習慣、核実験によるフォールアウトなど、当時の風潮が”おばあちゃんの目”で描写されているのも面白かったです。
どうでもいいけど、この牧師夫人、ミス・マープルものでも出てた気がします。ミステリアスでちょっと威圧的だけれど、悪に対する彼女の実際的な考えはなるほどと思わされました。
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オリヴァ夫人が登場しているので、ポアロはいつ登場するのかと待っていました。
最後まで、ポアロは登場しませんでした。
連続殺人事件を追う人が、警察医、学者、警部と、連携していきます。
自分を標的にして操作をしようとする女性の危険な賭け。
最後は幸せに終わる(ハッピイエンド)は、なんとなく途中から想像ができました。
主犯が誰かが、最大の山場のはずです。
最後は説明が少し物足りない気もしました。
読者の想像の範囲を広げておきたいという配慮かもしれません。
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同名の映画を以前見た事があり、イマイチ意味が分らなかったので、本を購入して読んでみました。
ある神父が撲殺されて、その神父の靴の中から、数人の名前が書かれたメモが発見される。メモに書かれた人々は既に死亡しているが、全て自然死で場所も死因もバラバラ。。
と、始まりから先が気になります。
その後、主人公の青年学者の体験を通して、事件が一本に纏まっていく流れです。
冒険活劇風で、とっても面白いですが、勘が良い人は先が分ってしまうかも知れません。
恋愛的な要素も含まれているので、ロマンスを味わいたい方にもお勧めです。
映画で意味が分らなかった人どうぞ♪
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上質のミステリー。
犯人は誰か、ということよりも早くこの先が知りたい!
という欲求でグイグイ進んでしまいました。
もっと、登場人物の一人ひとりを分析しながら
葛藤を繰り返し、反芻しながら読むべきミステリーなんでしょうが。
単純に驚かされています。
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翻訳が女性になったからか、旧版より柔らかい文章になった気がします。
旧版のを読んだことがあるのでストーリーも犯人も知っていましたが、読みやすくて楽しめました。
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あっと言う間に読了。最終盤でたくさんの伏線があれよあれよと言う間に回収されていくのは痛快の一言。出会えてよかったと思えた一冊。