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投稿者:たっくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
人の心をコントロールしようとする力はあらゆるところに存在する。自分がコントロールに巻き込まれた時に本書を思い出せば態勢を立て直せられるかも、という一冊。「お守り」になるかも。
洗脳の歴史と技術。それに関係する現代社会の考察、など。
2017/10/31 15:34
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投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
マインド・コントロールを受けやすい人の状態や特徴。
洗脳やマインド・コントロールの歴史。
マインド・コントロールと近接する操作技術。
CIAや共産圏の技術。
脱洗脳の歴史と技術。
など。
マインド・コントロールそのものの話題とともに、
現代社会に生きる私たちの状態の考察など。
題名は怖い感じだけど、まあ読みやすかった。
自分は佐藤優氏が推薦していたから買ったけど、
現代人として読んでおいても損はしない、という感じ。
著者が前書きで、
『 私は、医療少年院という臨床の場に長年かかわる中で、数多くの特異なケースに出会ってきたが、
その中には、反社会的集団や人物によって、マインド・コントロールを受け、肉体的、精神的、性的搾取を
受けてきたというケースが少なからず含まれていた。
こうした若者たちが回復を遂げることは、すなわち、彼らが受けたマインド・コントロールを解くことでもあった。
その希少な経験から学ばせていただいたことは、もっと広く社会一般にみられる、さまざまな心理的支配からの
自立のプロセスにも通じるものである。
そのエッセンスを紹介したい。意外にも、普遍的な真実を含んでいることに驚かれるだろう。』
と言っていて、その通りの感じの本。
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【心を操る技術、最新データで再登場】理性的な若者をテロリストに変貌させる技術は、国家レベルで長く研究されてきた。アマゾンで部門1位のロングセラー、待望の新書化。
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<目次>
第1章 なぜ彼らはテロリストになったのか
第2章 マインド・コントロールh、なぜ可能なのか
第3章 なぜ、あなたは騙されやすいのか
第4章 無意識を操作する技術
第5章 マインド・コントロールと行動心理学
第6章 マインド・コントロールの原理と応用
第7章 マインド・コントロールを解く技術
<内容>
近くはオウム真理教、イスラムの9.11テロも関連のあったとされるマインド・コントロール。それを解説した本。具体例を盛り込みながら、その理論や脱出の仕方などを紹介する。比較的淡々と進むが、必要な情報は手に入ると思う。
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精神科医・作家の岡田尊司氏が、文字通り「マインド・コントロール」について、その歴史や医学・心理学的な分析を包括的に著したもの。2012年に単行本で出版され、2016年に新書化。
マインド・コントロールというと、真っ先にカルト集団が思い浮かぶし、更には、9.11米国同時多発テロを起こしたアルカイダや、がいまだに世界中でテロを繰り返すIslamic Stateといった過激な思想に染まったテロ集団のことが想像され、本書においてもそうした典型的なマインド・コントロールの恐ろしさを感じたが、最も強く印象に残ったのは、広義のマインド・コントロールというのは日常の生活にも少なからず入り込み、我々も知らず知らずのうちに影響を受けている、即ち、マインド・コントロールされているということであった。
著者は、まず、典型的なマインド・コントロールについて、以下のように分析・説明する。
◆マインド・コントロールされやすい主な要因は、1.依存的なパーソナリティ、2.暗示にかかりやすい傾向、3.不安定で歪に肥大した自己愛、4.現在及び過去のストレスと葛藤、5.支持環境の脆弱さ、である。
◆その技術の源泉のひとつは、「暗示」や「催眠」によって無意識にアプローチする方法で、18世紀に医学的に用いられるようになった「催眠」は、その後、フロイトやユングの精神分析学・心理学においても利用された。
◆その技術のもう一つの源泉は、「行動」に働きかけるアプローチで行動心理学と呼ばれる。これは、アメとムチによって望みの行動パターンや思考パターンを自在に作り出すもので、既成の価値観や人格を消し去るという意味で「洗脳」と呼ばれる技術と直結していた。米ソ冷戦時代には、政府主導で洗脳についての技術が非常に高まったが、冷戦終結後は、その研究の担い手は政府から民間に移り、信者や顧客、選挙の票の獲得のように大衆をターゲットに利用されるようになっている。
◆その原理は、1.情報入力を制限する、又は過剰にする、2.脳を慢性疲労状態におき、考える余力を奪う、3.確信をもって救済や不朽の意味を約束する、4.人は愛されることを望み、裏切られることを恐れる、5.自己判断を許さず、依存状態に置き続ける、である。
そして、現代においては、マインド・コントロールが冷戦時のように兵器として使われることはなくなったものの、改めて非常に重大な問題を突きつけていると言う。即ち、膨大な情報と孤立というバランスの悪さを抱えた現代人は、主体的に選択してアクセスしているつもりが、いつの間にかそこからの情報によって思考や行動を左右されることになり、自ら主体的に判断し、その生き方を選択していくことが困難になっているのである。
オーウェルの『1984年』やハックスリーの『すばらしい新世界』が脳裏をよぎり、現代社会のあり方を否応なく考えさせる一冊である。
(2016年5月了)
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マインド・コントロールの原理や問題点を、豊富な具体例や研究を基に丁寧に検討する。
自爆テロを敢行するテロリストや、狂信的なカルト教団にとどまらず、DV、いじめ、ブラック企業、家庭内教育等、私たちの身近なところにも、マインド・コントロールの危険は潜んでいる。
本書は、精神医学や心理学といった科学的根拠に基づいており、「よく分からない」「うさんくさい」といったイメージがつきまとうマインド・コントロールについて、正確な知識を提供してくれる。
他者とのつながりや自己価値の実現を希求する人間の特性、適量な情報(刺激)でなければ適切に働かない人間の脳など、「人間」への理解も深まる。
インターネットの発達による情報過多や、個人主義を極めた孤立的生活、そして不安定な国内外情勢等、現代は、マインド・コントロールが生じやすい土壌が整っていると言える。
その中で、不当なコントロールを受けずに自立して生きていくため、あるいは、マインド・コントロールの原理を良い方向に活用してより善く生きていくためにも、一読を勧めたい。
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テロリスト トンネルを通り過ぎるうちにテロリストに成る
外部の世界からの遮断、視野を一点に集中させる
純粋な理想主義者が抱えやすい一つの危うさは、潔癖になりすぎて、全か無かの二分法的な思考に陥りやすい
イエスセットという心理操作 相手がイエスという質問をすることで、相手はいつのまにか、自分が理解されていると感じ、こちらの言いなりになる
マインドコントロール 騙したと気づかれずに相手を騙す方法
マインドコントロールに走る者 自己愛性人格構造 肥大した自己愛や幼い万能感と、他者への共感性の乏しさや搾取的態度を特徴
マインドコントロールされやすい要因 依存的パーソナリティ、高い被暗示性、バランスの悪い自己愛
依存性パーソナリティを生みやすい境遇
親がアルコール性依存 酒を飲むと家族に絡んだり暴力を振るうため、子どもは親が酒を飲みだすと、ハラハラしながら顔色をうかがっているという環境で育った人 (アダルトチルドレン)
母親がうつや不安定なパーソナリティ障害があり、いつ調子が悪くなって自傷や自殺企図をするかと、子どものほうがびくびくしながら暮らしているという状況
自己愛的な母親に支配された子ども
過保護な環境で育った子ども
ハインツ・コフート 自己愛には2つの様相 自らが神のような偉大な存在でありたいとう願望であり、幼く未熟な自己顕示性や万能感を特徴とし、誇大自己と呼ばれる。もう一つの様相、理想化した親のイマーゴ。自らが神のような存在となることはできないが、神のような偉大な存在を崇拝し、その存在に自らの偉大な存在でありたいという願望を投影することで、間接的に満たされる自己愛の形
メスメリズム 催眠状態に導入するためには、施術者と非施術者との間に、ある種の信頼関係が必要 ラポール
ポジティブな感情を向けて、理想化し好意を抱く場合を陽性転移
逆に怒りや憎しみといったネガティブな感情を感情を向けてくる場合を陰性転移
転移感情を向けられると治療者の側にも、それに呼応する感情が生じてしまう 逆転移
この転移をいかにうまく使うかかが、治療の成否のカギを握っている
ミルトン・エリクソン
ダブルバインドによる誘導
☓ 勉強をしなさい
◯ 国語と算数と、どっちからやろうか? 宿題、ママといっしょにやる、それとも一人でやる?
とにかく、「ーする」と答えさせるのが重要
ヘブ博士の実験は、感覚遮断が、見当識障害や感覚障害だけでなく、幻覚や被害妄想を引き起こすことを明らかにした最初のものとなる
マインドコントロールの原理
情報入力を制限する、または過剰にする
脳を慢性疲労状態におき、考える余力を奪う
確信をもって救済や不朽の意味を約束する
人は愛されることを望み、裏切られることを恐れる
自己判断を許さず、依存状態に置き続ける
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☆マインドコントロールの原理
・情報入力を制限する、または過剰にする。
・脳を慢性疲労状態におき、考える余力を奪う
・確信をもって救済や不朽の意味を約束する。
・人は愛されることを望み、裏切られることを恐れる。
・自己判断を許さず、依存状態に置き続ける
〇ミルトンエリクソン
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誰かに頼らないと生きていけないのが人間。依存と自立のバランスが崩れた時にマインド・コントロールされてしまう。
自分自身でマインド・コントロールされているということが分からないのが怖いと感じた。いつぞやの女性タレントのように、自分では大丈夫と思っていても側から見ればそうではない、ということが自分にも起きてるかもしれない。
この分野も軍事力の発達と共に研究されてきた。驚いたのは肉体的精神的な圧力なしに、電磁波で影響を与える研究がなされているそうです。人が人をコントロールしてしまうのは、もはや神の分野で触れてはいけない気がするのですが。
#読書 #読書記録 #読書倶楽部
#マインドコントロール
#岡田尊司
#2016年75冊目
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なるほど…佐藤優氏の言う通りの本。
背筋に寒気を感じながら読みました。マインド・コントロールとは典型的には新興宗教にハマってしまった信者のことなどを思い浮かべますが(そして実際この本もそういった事例に多くの紙幅を割いていますが)、いや、ある意味我々皆が何かしらのマインド・コントロールを受けていると言えるでしょう。
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きちんと増補改訂されている。参考文献も使える。この手の本の入門書としては現時点で一番まともか。というか、ネット上の情報を取るために本が必要になるという現状は結構ややこしい事態では。
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玉ねぎの皮むきではないが、自己決定の真芯には、何があるのだろうか。
自己決定の基盤である価値観は、言葉すらを持たぬ時期を出発点として、言葉、この他様々な情報を受け入れ、形成されるものだろう。
その形成過程において、情報の取捨選択が行われていない、ということはありえないとしかいえない。
とすれば、マインドコントロールとは、一般にイメージされる、カルトの取る手段などという以上に、教育に近いものなのかもしれない。
社会生活、家庭生活に不可欠な技術としてのマインドコントロール術と危険なマインドコントロール術、というようなものの境界線に興味があるのだが、そこが明瞭になるような印象は、この本にはなかった。
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カルト教団を離脱し、民間企業に勤める女性が、「カルト教団員もエリートサラリーマンもたいした違いはない」と発言しているのが印象的。両者は構造的には同じだし、嵌まり込んでる人間の生態も同じであるという事だろう。ちなみに著者によると医局もマインドコントロールを生み出すトンネル組織だそうだ。もはや人間の性のようなモノでどうしようもない。
■なぜ騙されるのか?
1.依存的なパーソナリティ(愛着不安)
2.高い被暗示性(信じやすく、批判精神がない、妄想的)
3.バランスの悪い自己愛(神になるか?神に帰依するか?)
4.現在及び過去のストレス、葛藤(復讐による存在意義)
5.支持環境の脆弱さ(経済的、精神的つながり)
根本にあるのは「依存と自立」の問題。すなわち「つながりへの欲求」と「自己価値への欲求」との事。それを満たすために、家族や社会と健全な関係を築けと。この主張がちょっと弱い。
そもそも、健全って何?(病院も一流企業も健全とは言えないわけで)って問題はあるし、マインドコントロールは(脱)マインドコントロールによってしか解決できないという、毒を持って毒を制すしかないジレンマもあるので、堂々巡りでしかないような気も。
結局、人付き合いには限界がある。だから、本を読むとか映画を見るとか多様な物語に触れて自己の物語を相対化し、社会・組織・家族等々と自分との距離感を調整していくしかないのではないだろうか?
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支配は中毒する。
主体的に考えることを許さず、絶対的な受動状態を作り出すことが、マインドコントロールの基本なのである。
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一般的には閉ざされた環境で身体的抑圧(睡眠不足や暴力など)がある場合を洗脳、それ以外の心理操作および誘導をマインド・コントロールと考えられている。朝鮮戦争(1950-53年)で捕虜とされた米兵が共産主義を信奉するようになっていた。中国共産党が行ったこの思想改造が洗脳の嚆矢(こうし)である。
http://sessendo.blogspot.jp/2017/08/blog-post_11.html