失敗から学ぶ組織とは
2018/07/14 20:27
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投稿者:aki - この投稿者のレビュー一覧を見る
航空業界と医療業界を対比させながら、失敗から学ぶ組織と学ばない組織があることを豊富な事例を基に説明。事故があれば、その原因を徹底的に追求し、再発を防止しなければならない。そのためにどうすべきが述べられている。
さらに、事実を正しく認識するため、ある施策を取った時、その効果だけをみるのではなく、その施策を取らなかった時の効果も見なければならない。
失敗をうまく利用しながら、組織を強くしていくことが考えたい人には必読の書である。
個人の心理と、組織の両面から失敗のメカニズムを探る
2018/05/01 18:40
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の主張は「できるだけたくさん失敗して、その原因を検証してフィードバックし、成長につなげる」という事で、それがどのような要因によって阻害されるのかを様々な視点から述べています。
個人レベルの問題としては失敗を認めることができないこと、誤った考えを捨てきれないことの心理学的な要因について、組織レベルの問題としては安易に失敗やミスの犯人捜しに奔走してしまうこと、それらを隠蔽してしまって問題が表面化しない体質に陥ることの危険性、失敗のデータの解釈の仕方などについて解説をしています。
「失敗すること=恥ずべき事」ではなく「失敗すること=成長の機会」と捉え、より効果的に失敗を成長につなげるために必要な組織づくりについて、様々な業種の実例を挙げています。この実例については航空業界、医療業界、法曹界、教育、IT、軍事など広範に及び非常に分かり易くかつ具体的に書かれており、大変参考になりました。
訳も読みやすく、この手の本としては内容の充実度、読みやすさともに素晴らしいと感じました。
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投稿者:ごーいち - この投稿者のレビュー一覧を見る
「失敗から学ぶ」当たり前のことに思うことが、いかに難しいかを思い知る。 自尊心を守るために、失敗を認めず、誤った解釈を信じ込む。医療現場は、権威性を高くし、失敗を許されない雰囲気をつくり、悪循環に陥ってしまうのには、現場にいるものとして、耳が痛いが、納得。組織として、失敗をオープンにできるようなシステムを。
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失敗を糧にする方法について、過去に起こった実例を元に説明してあり、わかりやすく活用のイメージが湧く本でした。
根底には、科学的な批判や検証の話がメインで、それを良しとする組織文化が必要と理解しました。
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失敗から学ぶための事例研究が豊富です。心理学や実証分析、客観的事実にもとづく科学の検知から追求することの意義を訴えています。
失敗の定義とカテゴライズ化がされていればもっと良かったかもしれません。失敗って多岐にわたりますからね。また、名著『失敗の本質』のように、なぜ失敗に向かったかという理由であげられる日本人特有の”空気”という分析には触れられることはありませんでした。
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これは買いの一冊!
自分は、失敗するのはまだまだ恐いと思ってしまうタチなのですが、
たくさんの失敗も経験してますし、失敗を活かす威力というのは身をもって実感もしてます。
そして本書を通して、さらに「失敗を求める!」ぐらいの気持ちになりましたね。何より、まずそれ以上の量をやらないと。
失敗を受け入れ学ぶ組織と、受け入れられず学ぶ機会を失う組織。
ページ数こそ多いですが、失敗に関する数々のエピソードが盛り込まれており、対比させながら、サクサクと読み進められます。
#book #失敗 #ふせんだらけに
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とても面白かった。
前半は海外物にありがちな若干冗長な感じではあるが、それぞれ説得力を持たせるために必要十分な分量だった。
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フィードバックの重要性
ミスの報告を処罰しない
ランダム化比較試験の必要性
ミスを超高速で繰り返す意義
聞いたことある気はするけど読みやすく面白い
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本書は、失敗についてロジカルに論じた本である。結果として、「人間が失敗から学んで進化を遂げるメカニズム、あるいは想像力を発揮して革命を起こすメカニズムを明らかにしていく」ものとなっている。失敗は成功の母とも言うが、「我々が進化を遂げて成功するカギは、「失敗とどう向き合うか」にある」のである。これは社会全体でもひとつの組織でも、身近なチームでも、個人でも、様々なレベルに共通するともいえるだろう。
まずは、航空機事故や医療業界での誤診を事例として取り上げる。この二つの業界が取り上げられた理由は、どちらも安全が非常に重要視される業界であるにもかかわらず、失敗に対するアプローチが全く異なっているところにある。そのアプローチの違いが、二つの業界における結果に大きく影響していると言えるからだ。航空機業界は失敗に対して「人は誰でも間違える」という前提のもとで、失敗が発生しうるものとして、業界で事故や失敗や共有をし、その対策を取るようにしている。燃料切れで墜落したユナイテッド航空173便のジャンボジェットの失敗に対する対応の事例がそのことをよく示している。その結果、航空運航の安全性は格段に高まった。
一方、医療業界においては、失敗は基本的には避けうるべきものであり、失敗自体がときに失敗を起こした本人にさえ認識されない。さらにその帰結として失敗の事例はめったに共有されることもない。実際には現在も、アメリカだけでも回避可能な医療過誤で毎年4万4千人から9万8千人が死亡していると言われている。また、別のレポートでは、毎年100万人が医療過誤による健康被害を受けており、12万人が死亡しているという。この数は「心疾患」と「がん」に次ぐ数の死因にも相当する大きな数字である。
そこには、われわれの失敗に対する姿勢の問題が潜んでいる。「社会全体で考えても、失敗に対する姿勢は矛盾している。我々は自分の失敗には言い訳するくせに、人が間違いを犯すとすぐに責め立てる」し、「医師の例を取るまでもなく、失敗を報告するやり方を見て、部下を含む周りは失敗に対する処し方を理解する。つまり、隠蔽やごまかしをするのを見て、それが「正しい」ことだと判断するようになるのである。それは正しい結果をもたらさない。どのようにして失敗を仕組みに組み込むのかということがどこにおいても課題になる」
本書は正しく次のように指摘する -「注目すべきは失敗そのものではなく、失敗に対する「姿勢」だ」。
「医療業界には「完璧でないことは無能に等しい」という考え方がある。失敗は脅威なのだ」と批判する。
医療事故には、端的に訴訟という脅威がある。しかし現実には、患者に正直に真相を話した方が、結果として医療過誤で訴訟を起こされる確率が下がるという調査結果もあるという。正直者が得をするようなゲームにすることも可能なのだ。
失敗の隠蔽とそのリスクに関しては、通信業界でいうと通信障害やセキュリティ事故などを挙げることができるだろう。失敗は非難される前に、共有され、対策されなければならない。そのことはいくら強調しすぎても、しすぎるということはない。また、��的に指摘されている通り、社会的な上下関係の中において、部下が上司に対して主張しづらくなり、もしくは控えめな表現を使ってしまうということは、日常的にもよく感じることである。失敗から学ぶことが、往々にして最も費用対効果が高い方法でもある。たとえば、最も成功した生産方式ともいわれるトヨタ生産方式の鍵は失敗をオープンにする仕組みを作ってその対策を優先することにあるとも言われる。
「我々は今、個人として、組織として、社会として、失敗との付き合い方を見直さなければならないのだ」ということを、身に沁み込ませなければならない。そのために情報伝達と改善が行われるシステムとマインドセットの変革が必要になる。
そのときに、そうは言ったとしても人は自らの失敗をなかなか認めないことを十分に認識するべきである。それは嘘をつくということではなく、本人も嘘をついていることを意識していないことがしばしばである。いわゆる認知的不協和とも言われるものである。「認知的不協和が何より恐ろしいのは、自分が認知的不協和に陥っていることに滅多に気づけない点にある」。そして、恐ろしいことに「ミスの隠蔽を一番うまくやり遂げるのは、意図的に隠そうとする人たちではなく、「自分には隠すことなんて何もない」と無意識に信じている人たち」なのだ ー しかも、そういった例は枚挙にいとまがない。失敗に直面したときに限らず、「人は自分が信じたいことを信じる」ということだ。それは人と接するときに理解しておくべき真実でもあるし、一方で自分への戒めでもある。
無謬性の神話があるところには、大きな脅威がある。病院の現場でもそうだし、刑事司法の場でもその通りだ。この本の中でもDNA鑑定で冤罪が証明された例がたくさん出ている。おそらくはすでに死刑執行が行われた中にも多くそういった事例が紛れ込んでいるのだろう。日本でもいくつかの冤罪事件が明らかになったのは記憶に新しい。無謬性の神話は、官僚制の中にも根深い。エリートほど、自分の間違いを認められないのだ。
さらに人の記憶というものが容易に事後的に編集されうるという事実が、無意識に嘘をつくことの危険性に輪をかける。往々にして人は「実際に見たこと」より「知っていること」に記憶を一致させる傾向がある。そのことについては、ときには受け入れがたいことでもあるが認めなくてはならないことなのだろう。
失敗についてのこういった認識については実は多くのところで共有されているものである。
ー ユニリーバは、考えるな失敗せよ、という。素早く失敗を繰り返す方が正解に早くたどり着くことが多いという。
ー 失敗はシステムの問題である、というのはトヨタの強みを解説した『トヨタのカタ』でもトヨタの精神として掲げられていたことだ。
ー 科学の歴史は失敗の歴史で、数少ない失敗が徹底的に論じられる人間活動である。失敗とそこから学ぶ姿勢があったからこそ科学は進展したのである。
ー 失敗の調査は最も効率のよい改善の方法である。失敗を見逃すことは学習の機会を見逃すこととなる。学習機会は失われ、失敗は繰り返す。
人は物事を過度に単純化していることが多く、どうせ答えはわかっているんだからわざわざ試す必要はないだろうと考えてしまう。そのことが失敗につながる。また後付けで理由を考えることで、そこに失敗をしたという学びの場を作ることができない事も多い。タレブが「講釈の誤り」と指摘したものでもあるし、ダニエル・カーネマンをはじめとする行動経済学の分野で盛んに研究されていることでもある。
失敗に対する姿勢がその組織なり個人の将来を大きく規定するということを肝に銘じる。そういえば、と思うことも少なくない。
日本軍の失敗を論じた『失敗の本質』、スリーマイル原発事故、チェルノブイリ原発事故、チャレンジャー号事故など数多くの失敗事例を集めて解説した『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』とともに、自分の中で失敗三部作と呼ぶことにしたい。失敗というものに対する姿勢というのは本当に大切だと思う。
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『失敗の本質』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4122018331
『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/479421538X
『トヨタのカタ』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4822251381
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実際に起こった医療事故や航空機事故、そしてスポーツチームの取り組みを通じて、失敗が起きる原因や、失敗が発生した後の行動を科学的に考察する作品。
人の行動には失敗がつきものなのだが、失敗を活かすオープンループの好事例として、航空会社の事例が挙げられている。航空会社では事故が起きるたび、第三者機関によってその原因が徹底的に検証され、機材や運用の改善を速やかに行い、その結果を業界全体で共有しているそうだ。同様にユニリーバやメルセデスF1チームにおいても、検証と改善のプロセスが上手く働いていて、失敗を活かす好循環を作り出している。
それに対し医療や司法の世界では、医療事故や冤罪事件から失敗を学ぶ機会が少ないクローズドループとなっている。航空業界のような原因を解明する第三者機関が無い事に加え、人間に働く認知的不協和という作用によって、失敗を失敗として認めづらい心理状態に陥ってしまう事が原因らしい。
ヒューマンエラーはシステムの不備から発生すると理解する事、恐れずに小さな失敗を繰り返して解決策を見出す事、そして失敗の報告者を罰してはいけない事。意外と単純な事のように感じるが、これが出来るか出来ないかが、成功と失敗を分ける鍵になるのかもしれない。
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世の中の失敗がなぜ、どういうカラクリで起きて、そこからどのように学ぶことができて、これからどういう姿勢でいればいいのかを、非常に読みやすく、具体的事例も多めの文章で解説した本です。ちょっと甘めですが、読みやすさも加味して☆5つ。
「失敗の本質」に引きずられたかのような邦題ですが、原題は「Black Box Thinking」というもの。旅客機に積まれているブラックボックスは、もし旅客機が墜落してしまった場合はその後回収、分析され、しっかりと対策が取られている。それゆえに航空業界の事故率は非常に低く、他の業界もそれに学ぶべき、という趣旨です。
医療過誤や誤審、犯罪の発生や発展途上国への援助など、色々な事例から生々しい失敗の事例を学ぶことができて、それを検証しています。また、失敗からの学び方も、結局スケープゴートを仕立てて終わらせてしまって意味がない事例があることにも触れられています。
様々な切り口、角度から失敗やそこから得られる学びについて触れられていて、何と言うか非常にお得な感じ。
陶芸クラスでの実験の事例で、完璧主義に陥ってちょっとだけのアウトプットになるより、とにかくアウトプットを出してそこから良い物を抽出する手法の方が結果的に良い物が残ると。失敗を許してチャレンジしていくチームの方が、優れた結果を残せるという例も非常に参考になりました。
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<目次>
第1章 失敗のマネジメント
第2章 人はウソを隠すのではなく信じ込む
第3章 「単純化の罠」から脱出せよ
第4章 難問はまず切り刻め
第5章 「犯人探し」バイアスとの闘い
第6章 究極の成果をもたらすマインドセット
終章 失敗と人類の進化
<内容>
もうちょっと失敗の原因が描かれるのかと思ったら、失敗を糧に進歩するには、という内容の本だった。自然科学分野では、失敗をしっかりと分析しながら進化しているようだが、社会科学分野、とくに司法や政治、教育の分野ではこのエピデンスが使われておらず、相変わらず直感や自らの経験のみにたよった判断が下されているようだ。『学力の経済学』んも書かれていたが、教育の分野は結構深刻だと思う。
さて、失敗を成功に変換するためのテクニックとして、著者は①マージナル・ゲイン(小さな改善を繰り返す)、リーン・スタートアップ(小さく始め、検証と軌道修正を繰り返してまとめていく)、RCT(ランダム化比較実験)で検証する、事前検死(あらかじめ失敗した前庭で検証を行う)などを上げている。最後の事前検死などは、いろいろな分野で応用できる気がする。
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・失敗していいんだと改めて思える本。特に航空業界の取り組みは、失敗を活かすシステムが隅々まで行き届いており、非常に参考になる。
・失敗が起こったときの犯人探しほど、無駄な事はない。原因に人を挙げるのは、よほどの神なんだなと思う。複合要因を一瞬で分析できるんだから。
・グローバル化が進み、素早い環境変化に対応するために、失敗≒時間ロスは可能な限りしないようにという雰囲気が周辺にある。また、自分自身の経験として、失敗はあんたの責任と言われた事があるので、こういう雰囲気は変えていこうと思う。
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失敗の科学。この本が教えてくれた大切なことは「認知的不協和の恐ろしさ」と「創造力はただの雑音でしかない。成功は、創造と検証の複雑な相互作用によってもたらされる」ということである。
失敗やミスを隠した経験はないだろうか?
第一志望だった企業に内定をもらえなかったときに、見栄をはってまだ連絡もらってないんだー、と言ったり、
寝坊して遅刻したことを、電車の遅延のせいにしたり、
誰かに振られたりしたことを、何かのせいにしてみたり、
個人的な話なら影響はわずかでしょう。
でもこれが社会にでて、会社同士の大切な取引に繋がることだったら。
一国の大統領や首相が失敗を国民に隠していたら、
その影響は計り知れない。
ではなぜ人は失敗やミスを隠すのか、なぜ失敗を繰り返すのか。
この本ではいくつかエピソードや様々な実験と合わせて簡潔に述べている。
詳細は省くが、
人は何かミスをして自尊心が脅かされると、つい頑なになる。
エリートほどミスを受け入れない。
隠す原因として
①過度な上下関係から、相手に対してミスや失敗に気づいても言えない。
これは東芝の事例が当てはまるのではないだろうか。
②恥ずかしさからくる認知的不協和
自己の正当化に走る。
また失敗を指摘されて人間が取る行動、
もちろん自分の信念が間違っていたと認めるほうがいい。しかしこれができない。
理由は怖いからである。自分は思っていたほど有能ではなかったと認めることだ。
そこで出て来る行動が、否定だ。
事実を受け入れず、自分の都合のよいように解釈をつける。または事実を完全に無視したり、忘れたりしてまうことがある。
自分が信じていたことを否定する証拠がでてきた場合は、そこに強い拒否感情を抱き、その人を徹底的に攻撃する。
ではどうしたら、人は成長するのか、前に進むことができるのか。
ユニリーバの事例がある(当日本を見ながら話す)
何事もついつい答えはすでに分かっていると検証を怠りがち。わざわざ試す必要もないだろうと考える。
反事実を考えない。つまり試行錯誤をしないのだ。
起業を何度もして失敗してから不完全ながらもサービスをはじめ起業をする人と、
入念に準備を重ねて一度の起業をする人。
どちらが最終的に成功の確立が高いだろうか?
おそらく前者だ。
入念に準備をして完璧主義に陥っている間に、ビジネスのチャンスをのがすかもしれない。
サービスが完璧でなくとも、スタートさせれば、最初はユーザーから辛くひどいクレームも多いかもしれない。しかしそれが後の成功へと繋がる。(リーンスタートアップにも通ずる)
また「制服の着用は規律を高める要因になるか」という議論があったとしよう。
頭のいい人なら、すぐに心理学者や高い役職の人を集め協議をするかもしれない。
しかし、これこそムダな綿密なやり方、計画だ。
本来すべきなのは、失敗。つまり検証作業である。
実際に2つのグループを用意して、制服を試せば良いのだ。
何事も「検証」である。
まずは、
「失敗を隠してしまう原因を客観的に理解すること」
「どんなことにもフィードバックをし、また仲間からフィードバックをもらおう。」
完璧な計画や構想のまえに、まずは動き出そう。
それが成功に繋がる。
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失敗は成功の母ということをいろいろな例証を上げて示した本。英国の本らしく英国の例が出ているが、著者も出しているが、Antifragile及びガワンデ
からの影響が濃厚に思える。
要は、失敗を個人のせいにしない仕組みと文化を設けて、失敗例を共有させることが物事の改善につながる。暗闇でいくらゴルフの練習をしてもフィードバックはなく上達もない。ただその仕組みがむづかしく、ここでは医者や司法の例が出ているが、権威主義になっており、ミスが報告されにくく、ボトムアップの改善がなかなか広まりにくい。一方、航空業界は早くから(軍という命をかけているところと密接だからか?)、個人とミスを切り離しており、改善の度合いが大きい。