白河院は平家源氏をどうしようと思っていたのだろう
2023/01/04 11:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
白河院が直接政治を執り行うようになって摂関家が急速に力を失くしていく、その過程で院は平家や源氏という武家の力を借りようとしたのだが、まさか平家が、そしてその後に源氏があれほどまでの力を持つようになろうとは思いもよらなかったであろう
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
京都は平安京から発展した天皇と公家の都というイメージが大きく変わる一冊。京都観光でよく思いつく寺社はほとんど平安京の外にあるという事実が目から鱗だった。確かに平安京の中は東寺と西寺以外の寺の建設は禁じられていたのを思い出した。院政と平家により平安京外の鳥羽や六波羅が開発され京都となっていく様が面白かった。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
京都いう町がどのようにして出来上がってきたかを見る本。著者の見解には一定の耳を傾ける箇所もあるが参考程度と言える。自著の宣伝が入るのが読みにくくしている。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
雅なイメージの京都。実は、天皇が京都を荒らし武士が京都を守っていたという歴史。更に、京都を利用しただけの源氏と開発した平家。武士が造った京都という話に漸次脳内パニック。
投稿元:
レビューを見る
<目次>
はじめに 平安京が「京都」に転生する時
第1章 武士に依存する平安京と朝廷の治安~「獄門」と凱旋パレード
第2章 「京都」誕生と「天下」の謎~秩序の平安京+君臨の鳥羽+極楽往生の白河
第3章 武士代表となる平氏~京都と院政に融合した新種の実像と虚像
第4章 京都と天皇を呪う嗷訴、守る武士~院政が生んだ反逆者と守護者
第5章 破局する京都と保元・平治の乱~武士が都を蹂躙する「武者の世」
第6章 六波羅と法住寺殿の大規模開発~後白河院・平家の二人三脚と京都拡充
第7章 平家の新都市域「八条」の開発~京都が最初の完成を迎える時
第8章 ”殿下の乗合”事件~京都の生活を支配する武士の論理
おわりに 平家が完成させ平家が破滅させた都
<内容>
一般書ということで論理は若干荒いか?「京都」の話というよりも、「武士」の院政期発展史。源氏から平氏へと武士の中心が変わっていく過程と白河・鳥羽の院政のカラクリ。平安時代後期の歴史ととらえてもよい。
投稿元:
レビューを見る
東夷(アズマエビス)の末裔には京都は遠い存在である。平安京=京都ではない!と帯にあっても、今一つピンと来なかったが、院政から平家政権にかけての土地開発、寺院造営の歴史を、政治史を交えて、ダイナミックに論じていく筆致に引き込まれてしまった。
投稿元:
レビューを見る
京都というと平安貴族によって作られたようなイメージがある。
しかし実際の京都の街をみると、所謂我々が京都のイメージの街並は平安京の外側であり、むしろ平清盛をはじめとする、武士が頭角を現してきてから、現在に繋がる京都になってきたという話だが、それはそのまま平安後期の政治史である。
改めて貴族と武士の成り立ちから関係について知ることで、京都の成り立ちも知ることができる。
投稿元:
レビューを見る
平安京のことや子供と中世への変化を考えていく上で、疑問に思ったり、「なんだか荒いな」と思っていたことが全て書いてあって面白かった。
平安京=京都ではない、武士の論理、古代から中世へと変化していく上での産みの苦しみ。
天皇と院政、平清盛の太政大臣就任と、激動の時代について面白おかしく読める。
終わりかたがすごく気になる。一読して、損はないと思う。
投稿元:
レビューを見る
タイトルから想像した内容とはかなり違ったが,面白かった.平安末期の白河上皇による院政の時代から,源氏と平氏が政治に入り込み,特に平家(平氏宗家)に清盛という特異な人物(なぜ特異かは伏せます)の登場するという過程を経て,従来の平安京が鴨川の東(現在の岡崎から三十三間堂や京女のあたりまで)と八条(西は梅野小路車庫のあたりまで)に拡張され「京都」が形成された歴史を説く.「武士が中央(=京)政治において地位を確立する過程」を描いた,とでも言おうか.
投稿元:
レビューを見る
非常に読みやすい。学術書ではないので、細かい説明はないが、ポイントを絞り、全体の流れを優先していおり、理解しやすい。歴史を学校の勉強のように「点」では学んでいくのではなく、複数の「線」が絡み合った結果、こうなったと説明されると分かりやすいのだなと感心する
この著書は平安後期を主軸にしており、白河院政から平家の台頭が範囲となっている。ただ、そこに至るまでの経緯やポイントを説明してくれている。平安京の治安悪化とその背景から武士の台頭、藤原摂関家の頽廃、源氏の没落。また、当時の寺や神社。特に「平安京内に寺をつくってはならない」という決まりや比叡山の荒れくれ模様など、「へー」と頷くだった。
投稿元:
レビューを見る
「武士の起源を解きあかす」や「平安京はいらなかった」を読んでいなかったら本書にはついていけなかったぐらい独特の視点でご自身の説を言い切るので「小気味よい」けど「本当かなぁ」と一抹の不安を覚える(失礼)
平治の乱で崇徳上皇がクーデターを企んだのではなく、後白河上皇が軍勢を集めたが故の不安から対抗して軍勢を集め、当時近衛天皇呪詛を疑われていた最悪の頼長と合流したために日本最大の悪霊になってしまった
白河院の時代から強訴=嗷訴への対抗として武力を天皇(上皇)が指揮して比叡山等を相手に武力排除する習慣が政治に寄らない武士を使った政争という背景も理解した
「京都の誕生」とは律令を楯に見えと虚構で張りぼてした都(四分の三は未使用)を使い勝手良くする為と京中仏閣禁止令の為に寺を建立する時「平安京」をはみ出した所へ、最初は道長の法勝寺に習い重要な建物が建てられる
①白川院の法勝寺周辺の仏教空間開発
②白河天皇時代からの鳥羽開発は遷都の様な大移動
③平正盛~清盛による白河仏閣へ近接する六波羅開発
と鴨川の東に飛び出た新興エリアを含めた『京都』はまさに武士が造った戦乱の都である