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滝田さんがTVドラマ「マリコ」で演じた外交官、実在のその人が書き残した文書です。貴重な昭和史のA級資料です。
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昭和天皇が戦後まもなく侍従らをそばにおいて語った、戦前戦中の記憶。その信頼性はさておくとして、天皇が一人の人間として歴史を語り、一人の人間として戦争中のさまざまなことに向かい合っていたということが明らかになるとき、それを何かわれわれの想像を超えた異境としてではなく捉えられるのではないか。
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(2007.02.23読了)(2007.02.19購入)
表紙にも扉にも著者名がない。奥付を見ると「著者 寺崎英成/マリコ・テラサキ・ミラー」となっている。柳田邦男著「マリコ」の主人公達が著者になっている。
「マリコ」は、ノンフィクションなので、実在の人物である事は頭では、わかっているつもりなのであるが、現代史と言うのは、関係者がまだ生存していたりするので、なんとも不思議な感じはぬぐえない。
「昭和天皇独白録」は、寺崎英成の遺品の中から見つかった。寺崎英成の遺品は、妻のグエンに渡され、アメリカに持ち帰られ、グエンがなくなったので、娘のマリコが管理することになった。グエンもマリコもあまり日本語が得意ではないので、どのような内容のものか気付かずに眠っていたことになる。マリコの息子のコールが寺崎英成に興味を持ったため、専門家の手に渡り、重要性が明らかになった。
「昭和天皇独白録」1990年12月号の「文芸春秋」に発表された。その後単行本になり、文庫版がこの本である。
昭和21年の3月から4月にかけて、合計5回、8時間あまり、「大東亜戦争の遠因、近因、経過及び終戦の事情等に付き、陛下のご記憶」を寺崎さんたち、5名の方が承り、記録したものである。稲田内記部長が基を作成し、木下侍従次長が不明点を折りあるごとに伺い、添削を加えた。それを、寺崎御用掛が、書き写したものと思われる。
昭和天皇のお話した内容に、半藤一利さんが注釈をつけているので、わかりやすい内容になっている。日中戦争から、大東亜戦争にかけてのところをもっと色々読んでから、もう一度この本に戻れば、この本の重要性がわかるかもしれないが、今のところ、よくわからない。ただ、昭和天皇が思っている以上に、政治に関与しているように読み取れるのではないでしょうか。天皇の発言の影響力というものが、感じられる。
なぜ、このようなものが作成されたのか?
東京裁判のための資料として提出されたのではないかという推測が、述べられています。今後、裁判資料の中に、見つかれば明確になることでしょう。
(2007年2月27日・記)
☆関連図書(既読)
「マリコ」柳田邦男著、新潮文庫、1983.11.25
内容紹介(amazon)
「文藝春秋」一九九〇年十二月号が発掘・掲載してこの国の内外に一大反響をまきおこした、最後の昭和天皇第一級資料ついに文庫化成る
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珍しく、というか、初めてかな?作者のクレジットされていない本を読むのは?
天皇に生まれてしまった人の苦悩が描かれている。明治生まれの人が書いたので、言葉遣いがかなり違う。そのくせ、思いがけない「今風」の仮名遣いをしていたり・・・
戦争時代は全てがキッチリ、くっきりじゃなかった、ということをはからずしも証明してくれた。(2007.7.14)
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本の構成がすばらしい。 ?独白録、?マリコさんのエッセー、?討論会と多角的。 政治的な発言はネット上にはしない主義なので感想はひかえます。
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新たな地平を築き、目指すことももちろん大切だが、それ以上にいまある自分がどういう歴史の中から生まれだされたかを考えるためにいも、過去を振り返る必要がある。現代史を語る上で外せない必読的資料。かなり貴重だと思う。
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昭和21年の段階で、よくここまで自分や自分を取り巻く環境を客観視していたものだと思う。課長級の役人まで把握しているし、これが帝王というものか。
科学者らしいとも言えるし、例えば会社を潰した創業者の孫がこういうふうに過程を語ることがどうかというのはあるけど。
あと、立憲君主として君臨すれども統治せずというのが昭和天皇のスタイルだと思っていたけど、巻末の座談会で、秦郁彦がばっさりいう。
「昭和天皇は実は命令していた(中略)それを、気に入らないと臣下がサボっちゃうわけです。たまたま一致するときだけは文章もさっと出てくる。命令しても部下がいうことを聞かないという慣習の中で、苦悩していた天皇の姿を私は見たんですがね。」
「命令をきかない慣習」って・・・・ 笑ってしまいました。これは喜劇だな。
案外そんなものなのかもしれんなあ。
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2次資料なので何とも言えないですが
天皇の政治的な置かれた立場や状況への見方など
大変興味深かった。
あとまず、昔の文章は格調高くて好き。
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昭和天皇自身が、張作霖爆殺事件から終戦までの期間について語った記録。当時の様子が生々しく伝わってくる貴重な証言。
やはり興味深いのは、昭和天皇が立憲君主であったのか否かという点だろう。
天皇自身は自らを「立憲君主」と規定し、内閣の上奏するものはたとえ反対の意見を持っていても裁可、「もし己が好む所は裁可し、好まざるところは裁可しないとすれば、之は専制君主と何等異る所はない」と述べている。
一方で、「閣議決定に対し、意見は云ふが、『ベトー(veto)』云はぬ事にした」という発言からは、拒否権はあるのだが発動しないだけという考え方も見て取れる(実際に「この時(二・二六事件)と終戦の時との二回丈けは積極的に自分の考を実行させた」と指示を出している)。
また、「(御前会議は)「全く形式的なもので、天皇に会議の空気を支配する決定権は、ない」という発言や、「(開戦が決定した際)反対しても無駄だと思つたから、一言も云はなかった」という発言からは、君主として自らの考えを実行させることのできないフラストレーションが感じられる。
このような天皇の微妙なポジションは、丸山真男が言う「無責任の体系」の根幹をなすものだったのだろうか。
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エネルギー関係の本から、大東亜戦争はまさに石油であり、昭和天皇もそれを自白している。という文章の参考文献から読もうと思った本
数年前までは、何にも日本の歴史を知らなくて、天皇なんていらないんじゃないと思ってたけど、こういった本を読んだりすると、日本にとって天皇という存在が大切な気がしてくる
別に右翼とかいう思想はないけれど、今までのことをないがしろにしがちな現代は、やはりなんだか寂しい
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「昭和天皇が内輪話をされた、これはおもしろい、と思って読むのが一番素直」ではないかと座談会で伊藤隆が述べたようだが、そうだと思う。
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とある勉強会の指定文庫で読んでみた。
戦前、戦時中の昭和天皇がとった言動について書かれている貴重な記録。
知らないことばかりであり、戦争のことや日本という国対のことを考えるきっかけになったので、よかったかなーと。
ただ、何が正しい情報で、伝えられてる情報が全てなのかどうかわからなくもなったな。
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昭和天皇の側近寺崎が、天皇の言葉をまとめた「昭和天皇独白録」、その寺崎が残した「御用掛日記」、寺崎の娘が残した「遺産の重み」の三部作構成。
最初の「昭和天皇独白録」は昭和歴史の貴重な資料、戦争には反対の天皇、周りは、「天皇には報告するが、天皇は承認するだけで、意見は不要」との考えのものも、その内間違った報告なども上がってきたり、天皇の知らないところで、日本軍の攻略などが拡大していく。昭和天皇のお人柄がかいま見える。
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-2016/03/02
①昭和19年10月25日神風特別攻撃隊の第一弾を聞いた天皇のお言葉「そのようにせねばならなかったか、しかしよくやった」この一言に昭和天皇の立場と苦悩が表れている。②御前会議では議案を承認するだけである。異議を唱えればそれは専制君主とみなされるとともに誰かが詰め腹を切らされるのである。
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昭和を語る上では欠かせない太平洋戦争や、そこに至る事件や歴史に関わった要人に対する昭和天皇の率直な見解が記録されている第一級の資料。よくぞ残り、よくぞ発見されたものだ。
戦後70年かつ昭和天皇実録が発刊され、あの時代に対する注目は再び高まっている。本独白録が刊行されて25年となり、その内容や意義も咀嚼され尽くした感もあるが、本書に収録された91年の座談会は、当時の驚きや戸惑いを伝えていて、別の意味で面白い。