図解の解説がわかりやすい。
2022/12/30 22:11
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投稿者:mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
頭で何となくわかっていることを図解することでより理解がはっきりすることを
実証している。
決算書を見るべきポイントをしっかり抑えて好調企業不調企業の見分けが
つけやすくなる。
株を買う場合の指標なども書かれていて興味深く読める一冊。
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これは初心者にとっては非常によい。
ファイナンスの基礎(企業のお金の流れ)から始まり、会計の考え方の基礎を語り、そして難しいことを一切言わない。
後半は企業価値と株価の解説。
具体的な企業分析の例もついている。
簿記の試験勉強からビジネス上の決算書の基礎力まで。
もっと早く知っておきたかったなぁ。
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ビジネスパーソンに必須の「会計的ビジネスセンス」を身につけるための本です。
決算書からは数字に基づくその会社の定量的で正確なデータを多く得られます。
優秀なビジネスパーソンはそのデータを提案や意思決定に役立てています。
簿記の知識が必要で、何だか難しいと思われがちな決算分析ですが、決算書を図に置き換えてイメージを目で把握することで、ポイントを素早く把握することも可能であることを教えてくれています。
数字は苦手、と思っているビジネスパーソンの方が読むと、数字の大事さと、簿記の知識が少なくても分析可能となる方法を学べる1冊だと思います。
【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「『できるビジネスパーソン』はほぼ例外なく高いビジネス基礎体力を身につけているが、その1つが『会計的ビジネスセンス』。身につければ、顧客企業の分析で抱える課題などを推測し、相手から信頼される提案をすることや、数値の裏付けをもとにした、確信を持った意思決定が可能になる。」
「決算書を図に置き換えると、その会社の本質(問題点や優れた点)を浮かび上がらせることができる。人間は目で考える動物なので、かたちが見えると急速にその対象の何かがわかったと感じることが多い。ヒトの脳は、ほぼ『ものを見る』ことに使われているとされ、目で形を見ることで急に本質的なポイントが顕在化することがある。」
「決算書を作る理由は、『会社の利害関係者(株主、銀行、取引先、税務署など)に会社の実態を正確に伝える必要がある』から。それぞれが会社に抱くさまざまな疑問を解消させるため、会社は自社の実態を説明する責任がある。決算書を公表することで、説明責任を果たせる。」
→私が仕事で経営分析をする場合、多くは最初に過去3期ほどの財務諸表の分析を行いますが、数字から見えてくるものは本当に多いと感じます。1年間の活動の結果(P/L)、どういう結果となったのか(B/S)、過去数期と比較して、経営状況がどう変化しているかを、数字は語ってくれます。
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
・「できるビジネスパーソン」はほぼ例外なく高いビジネス基礎体力を身につけているが、その1つが「会計的ビジネスセンス」。身につければ、顧客企業の分析で抱える課題などを推測し、相手から信頼される提案をすることや、数値の裏付けをもとにした、確信を持った意思決定が可能になる。
・決算書を図に置き換えると、その会社の本質(問題点や優れた点)を浮かび上がらせることができる。人間は目で考える動物なので、かたちが見えると急速にその対象の何かがわかったと感じることが多い。ヒトの脳は、ほぼ「ものを見る」ことに使われているとされ、目で形を見ることで急に本質的なポイントが顕在化することがある。
・決算書を読みこなすには、その裏側にある会社の経済活動(取引)がイメージできることが必要。決算書は会社の経済活動(取引)を記録・集計したもので、決算書と経済活動(取引)は、車の両輪のような関係。
○決算書の基礎を理解する
・会社のすべての経済活動の結果を数値に置き換えてまとめたものが決算書。決算書を読むと、逆に会社がどんな経済活動を行ったのかを読み取ることも可能。
・決算書を作る理由は、「会社の利害関係者(株主、銀行、取引先、税務署など)に会社の実態を正確に伝える必要がある」から。それぞれが会社に抱くさまざまな疑問を解消させるため、会社は自社の実態を説明する責任がある。決算書を公表することで、説明責任を果たせる。
○決算書は図で考えるとよくわかる
・「安全性が高い会社」とは、端的に言うと「倒産しにくい会社」。安全性を見抜くには、貸借対照表(P/L)の右側にある負債と純資産の割合に注目する。負債は返済の必要があるお金なので、多いほど、将来、会社のお金がどんどん減る。お金が底をついたら破産。純資産は返す必要がないものなので、将来お金が減ることはなく、破綻のリスクは小さい。
・損益計算書(B/S)では会社の収益力を測れる。収益力とは稼ぐ力、会社が利益を生み出す力。営利企業である株式会社は、できるだけ多くの利益を獲得し、出資をしてくれた株主に還元するのが本来の目的なので、収益力は会社の本質。売上高の大きさを右、当期純利益の大きさを左下に記した図を書くと、左上は費用の大きさとなる。費用の割合が低いほうが、稼ぐ力はある。
損益計算書を右から売上高、売上総利益(粗利)、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益の順に、階段のようにグラフにして並べると、収益力の高い会社は階段が緩やかで、原価や経費、利息や臨時出費の多い収益力の低い会社は、階段が急になる。
・1年間でどれくらいお金が増減したかを営業、投資、財務の3つの要因別に表すキャッシュフロー計算書(C/F)を見ると、お金を何で手に入れ、何に使っているのかがわかる。営業C/Fが増えれば利益が増えていて、本業が順調。投資C/Fが減っているのは、設備投資を積極的に行っている。借入増が原因である財務C/Fの増は、資金が苦しくなっている場合もあるが、営業C/Fがプラスであれば、積極投資のために積極的な借入というパターンが多い。
・P/L、B/S、C/Fの3表は、バラバラに存在しているようで、実は密接につながっている。B/Sの期首と期末の現金をつなぐのがC/F、B/Sの期首と期末の純資産をつなぐものがP/L。
○取引をフロー図にしてビジネスの流れを理解する
・販売から代金回収のフローは、①仕入先から商品受取、②顧客へ商品引渡、③仕入代金支払、④販売代金回収、という順番になるのが通常。商品・サービスの動きとお金の動きの間にタイムラグがある。③と④の間に決算日になると、現金がまだ入っていないので、P/Lはプラスだが、C/Fはマイナスになる。取引先の経営状況が悪化し、④が遅くなったり来ないと、利益があってもC/Fはどんどんマイナスになる。
・資金繰りを意識した会社は、ビジネススキームも事前によく考えている。多いのは、前金、即金、直接取引の3パターン。前金は前述の④が最初になる。即金は④が②と同時に発生。直接取引は、①と③を省略して、タイムラグを短くする。
・売上が急拡大で成長している場合、仕入先への支払を前月の顧客からの回収金額で充当しきれず、毎月お金が減っていく。未然に防ぐためには、契約締結段階で販売代金の回収日を、少なくとも仕入代金支払い日と同時期に設定する。
○会計特有の、お金は動かないが利益は動く考え方
・貸借対照表に固定資産として載っている金額は、土地を除き、遅かれ早かれ必ず将来費用になり、利益を押し下げる。固定資産を購入する際には、将来発生する減価償却費の金額以上に利益が増加するかを見極めないといけない。
・将来の支出や発生に前もって費用計上する引当金は負債であり、多額にあると、将来お金がたくさん出ていくというマイナスのイメージを抱きがちだが、将来の費用が抑えられれば利益を押し上げ、純資産にプラスの影響を及ぼすため、ネガティブな側面とポジティブな側面の両方を併せ持つ。
○財務分析指標で会社の経営実態を把握する
・計算式が多く、分母と分子を混乱しがちだが、P/Lを左、B/Sを右で配置して考えると迷わない。ROA(当期純利益/資産)、ROE(当期純利益/純資産)、総資本回転率などは、右が分母、左が分子。財務レバレッジ(資産/純資産)は、B/Sの中で右が分母、左が分子。当期純利益(当期純利益/売上高)は、売上高から右に書いたグラフだと、右が分母、左が分子になる。
○決算書を使って割安株を探す
・「値上がり益」を手に入れるには、安全性が高く、収益力があり、C/Fを安定的に生み出している会社の「適切な銘柄」を、実態よりも値が低くなった「適切なタイミング」で購入するのがポイント。
・一般論でいうと、優良企業は自己資本比率40%以上(B/S)、粗利益40%以上(P/L)、営業利益率10%以上(P/L)、ROA5%以上(B/S+P/L)、ROE8%以上(B/S+P/L)、といった水準をクリアしている会社なので、これで投資先を絞る。次に、PBR(株価/1株あたり純資産)1倍未満、PER(株価/1株あたり当期純資産)15倍未満、PCFR(株価/1株あたり営業C/F)10倍未満になった時点で購入する。突発的な事象などもあるので、複数の銘柄に分散投資してリスクヘッジするほうがよい。
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貸借対照表、損益計算書、キャッシュフローを簡単な図にして読み解く方法が解説されている。
会計の知識がほぼない状態で読んだが、とても分かりやすかった。終盤には企業の経営状態を見極める指針なども記載されていたため、よく分からないまま株式投資を行なっている人は一読すると良いかもしれない。