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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
萩尾望都先生の講演録であり少女漫画の歴史を語る一冊。
萩尾先生は少女のゆらぎのある視点を限界まで研ぎ澄ました方なんだと再認識した本。
日本を飛び出して
2022/06/03 03:40
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界的な評価を受けていることに納得できます。衰えることのない創作意欲と、さらなる傑作にお目にかかる日を楽しみにしています。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
少女漫画をいろんな角度から開設されているので、おもしろかったです。女性の作家さんが描く少女漫画が面白い。
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萩尾望都が2009年にイタリアの大学で行った講演(質疑応答含む)の記録と、自作や創作にまつわるインタビューをまとめたもの。
講演では萩尾望都視点による日本の少女マンガ史の概観が述べられており、そこに挙げられた作品など萩尾望都史観とでもいうべきものが伺われて面白い。
後半のインタビューもコマ割りに現れる個性の話などいろいろ興味深い。しかし、何十年も前に読んだと思われる漫画のコマ割りがさっと頭に浮かぶ萩尾望都の記憶力は凄い。
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姉の持っていた『ポーの一族』を学生時代に読んで、ストーリテリングの巧さに感嘆し、エドガーの行く末に想いを馳せたものだった。
『ポーの一族』の新作が40年ぶりに発表されると聞いて、当時の記憶が思い出されたが、期待半分、不安半分だったので、読むことはしなかった。
そんな時本書が刊行されたので、手に取った。
I章は、もともとイタリアでの日本少女マンガ講義を元にしたもので、著者の視点でのマイルストーン的な作品が紹介されるとともに、自作を素材にテーマやテクニックが語られる。
タイトルは知っているが実際には読んだことのない作品が多くて興味深かった。
II章は、I章を踏まえた上でのインタビューを元にしたものであるが、自作についての解説、構図やコマ割りなどマンガならではの手法についての見解は、素通り、読み過ごしてしまいそうなポイントについて、実作者ならではの見解が随所に示されていて、読み応えがあった。
少女マンガを切り拓いてきた第一人者の率直な思いを聞くことのできる、ありがたい一冊だ。
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萩尾氏のナポリ大学での講義内容他。
テーマは 日本における少女漫画史。
漫画については私もあれこれ考察することはあるけれど、「日本における女の子の社会的在り方」に対しての自由への渇望であるとの見方は、「なるほどーーーー」と感じ入りました。
なぜ我々はあらゆるジャンルを漫画に求めるのか。コマの間に何を探って読んでいるのか。なぜBLが確固たるジャンルとして座を占めているのか。
窮屈な日本においてなんだって許される世界が少女漫画!
すごいなー、この「みんなと同じ形」を重んじる日本において、よくこのジャンルが存在を許されたなと感動すら覚える。
ある意味「少女漫画」は少女にしか理解できない謎世界だが、しょせん少女だし大した脅威でもないのでほっとこう、というのが真実だろうか。
その結果、立派に根を張って、その文化を樹立してしまったなんて、奇跡じゃないですか。
結果的に「漫画で覚える日本史」的なものも隆盛を極めている。そんで確かに漫画としてのストーリーがあるから記憶に残るんですよね。
漫画・・・スゴいな・・・。
わたしはコミックス派です。(だからなんだ
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懐かしい萩尾作品の解説に、少女マンガの歴史。マンガはずーーっと好きなものの一つです。好みに合うものは読み続けますよ、何歳になってもね
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萩尾望都による少女漫画誌概論と、近作の解説。
ほんとうに漫画が好きな人だな。よう読んどいでる。大泉の話でも出てきた、この漫画をあの人が描いたら……という遊びの話がここでも出てくる。
岡崎京子を少女漫画の血脈の中で語っているのが新鮮。いや確かに萩尾望都と大島弓子からの影響は大いに語っているのだし継承者であるのは確かなんだけど。
岡崎京子を男性批評家が理解できてなかったという話にどきりとする。わ、わたし、わかってるのかな…大好きだけど、自信なくなってきた。
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■少女マンガの岸辺で――まえがきにかえて 矢内裕子
■Ⅰ章 イタリアでの少女マンガ講義録
・少女マンガの歴史
・自作についての解説「半神」「柳の木」「ローマへの道」「イグアナの娘」
・質疑応答――イタリア人聴講者からの質問
・ドナテッラ・トロッタ氏によるインタビュー
■Ⅱ章 少女マンガの魅力を語る
・少女マンガは生きている
・私の創作作法
■Ⅲ章 自作を語る 『なのはな』から『春の夢』へ
□萩尾望都氏との初対面 ジョルジョ・アミトラーノ
□イタリアの秋 矢内裕子
□著者あとがき
□解説 中条省平
この数年萩尾望都界隈が滾っている。
個人的には「残酷な神が支配する」で凄まじい漫画に対面させてもらったあとは、そのフィナーレを作家への興味の終わりのように錯覚したせいもあり、熱心な読者ではなくなってしまった。
が、萩尾望都は常にナウなのだ。
ということで未読だった「バルバラ異界」を初読、「なのはな」を再読してこの本に向かったが、居住まいを正すとはこのこと。
記事は多様なものだが、常に貫かれているのは萩尾望都の真摯さ、生真面目さ、文化への愛。
個人的には「イグアナの娘」「残酷な神が支配する」で親を描くことで、作者自身が救われた、という記述に、感慨ひとしお。
こういう形で読者を救い作者を救う、やはり稀有な作家だ。
今後は中川右介「萩尾望都と竹宮惠子 大泉サロンの少女マンガ革命」、竹宮惠子「少年の名はジルベール」、萩尾望都「一度きりの大泉の話」と読み継ぐことで、じゅくじゅくした気持ちに自らなっていこうと計画している。
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単行本を図書館で借りて読んでいたが、文庫版を買って読み返す。教材に使われた作品もこの機会に読み直した。
巻頭「少女マンガの歴史」、竹宮惠子をスルーしたのに違和感を覚える。含むところがあるのかと邪推したが、追記で少し触れられている。そこで名が挙がった陸奥A子と樹村みのりは、指の間からこぼれるにしては大きすぎるように思う。
「自作についての解説」「自作を語る」は読み応えがあって、かつ楽しい。紙上オーディオコメンタリー。
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漫画製作の話が読めてよかった。ただ最近作はあまり知らないので、後半のインタヴューはよくわからなかったです。
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萩尾望都が語る少女漫画の歴史。萩尾望都が高く評価している作品は何かとか、手塚治虫はどんなところがすごいかといったことがインタビュー形式で書かれていてとてもわかりやすかった。「半神」などの作品が掲載されているのもうれしかった。
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とても丁寧に萩尾望都さんの言葉を紡いでいて、ファンにとってもそうでない人にも分かりやすいと思いました。聞き手の矢内さんの情報量もすごいです。
全ての作品をもう一度ゆっくりと読み返したいです!
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モーさま萩尾望都さんの伊ナポリ東洋大学とボローニャ大学での戦後少女マンガ史講演手塚治虫先生リボンの騎士から各年代の代表的作品と大奥までを解説。
自作「半身」「柳の木」「イグアナの娘」解説となかなか興味深いお話がたくさん。当然ながら大泉サロンで袂を分けた竹宮惠子さん増山法恵さん少女マンガ革命についてはスルーしておりますwwww
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男性は少女漫画が読めないという話やそれに関係するコマ割りの話がとても興味深かった。それが当たり前と受け入れられる時にインプットしておかないと、大人になってからでは理解が難しいんだな。思わず手元の少女漫画を引っ張り出して確認してしまいました。
『半神』、怖くて美しくて何度も読み返してしまいました。