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投稿者:にゃんぱり - この投稿者のレビュー一覧を見る
このシリーズの3冊目が発売されて,表紙がいいなと思いましたが,
やはり1作目からと思い読みました。
S&MシリーズとGシリーズの加部谷さんが探偵事務所の調査員で
ホームレスの若者を調査します。
話はたんたんと進み,事件が起きます。
働きたくない,人と関わりたくない,でも死にたくない。
しかし,そこから人を傷つけて,自分の欲望をみたすということは
飛躍があるのではないでしょうか。
そうしてしまう人もいるのが現実ですが,この作品でもとりあげられる
ベーシックインカムを導入すれば,解決するわけでもないでしょう。
さて,2作目は,どうなるのか。
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森博嗣ファンです。定価では無く、古本屋で手に取った一冊なら良かったと言っていたかも。陳腐でした。そう感じるほどに人物の描写が浅い。私向きではありませんでした。S&M、スカイクロラ、百年などのSFやトーマの心臓はとても良かったのですが、現代社会を描くとなるとこうなってしまうのでしょうか。
どれだけ人々の営みや集団を達観しようとも、生への執着は捨てられないのが柚原の浅さです。彼は人間を馬鹿にして自分は宇宙人なのだと思考で嘯いても、どうしようもなく人間です。さて、無差別殺人犯の罪状を持つ柚原に、刑務所の人々はどう接するでしょうか。彼はプライバシーの無い空間で悠々自適に人権を守られて過ごせるのでしょうか。虚しいですね。
人生が幸せの無い穴のような空虚さであり、それに気づかず前向きにやっていける馬鹿さが彼にあればこうはならなかった。中途半端に賢いと悲惨です。
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またもや、深く考えさせられる結果となりました。
生きるとはなんなのか、人間とは何をもって認識されるのか。
難しいと簡単に片付けたくはないです。
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途中まではそこそこ良かったのに、ラストは意味がわかりません。
ただこの作者様沢山の著書も賞も受賞されてると言う事で私にはまだまだ読解力がないと言う事でしょうか?
人を殺めては絶対に行けないと思います。ましてや健康な身体を持つ事は何より尊い事です。
残念な作品でした。
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すべてがFになる、でお馴染みの森博嗣さんの作品。
理系大学教授という肩書きを持つ作者ですので、リアルなトリックや大学描写が強みかと思いきや、全く違ったテーマの本作でも非常に味わいのある内容でとても面白かったです。
生きることや働くこと、「普通に」生きていく中でなかなか立ち止まって考えないようなテーマですが、改めて提示されると自分の中でも明確な答えは出せないものだなぁと思いました。
本作は新シリーズの一作目ということで、次回作もめちゃくちゃ楽しみです。
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Amazonの紹介より
探偵事務所への匿名の依頼は、あるホームレス青年の調査だった。彼は穏やかで理知的な人物だが、社会に絶望していた。調査の目的に疑問を感じながら、探偵が尾行を続けるうちに、青年の知人の老ホームレスが急死し、遺品から彼の写真が見つかる。それは依頼人から送られたのと同じものだった。
新シリーズ開幕。
森さんというと、SFミステリーのイメージが強かったのですが、今回はそういった不可思議な要素はなく、現代ミステリーということでちょっと驚きでした。ただ、ラストの展開は、驚きの展開であり、それは現実でもありえることなので、深く印象づけられました。
ある男の調査依頼から始まり、事件という事件が起きるというわけではありません。森さんだから、何か起きるんじゃないか、起こさせるんじゃないかと思っていたのですが、淡々と時間が流れていきます。
途中、事件っぽい匂いがくるのですが、むしろヒューマンドラマの要素が前面に出てくるので、この作品はこういう趣向なんだと思いました。
その要素なんですが、一人の男の調査を通じて、「生きる」って何だろうと思いました。男は良い意味として、正論を言う至極真っ当な男ですが、悪い意味ではめんどくさく、世間で渡り歩くのは容易ではない存在です。
社会に不満を持ち、正しいことを言っているのですが、なかなか思うようにはいかず、周囲と溝が深まるばかりです。
社会における理不尽さが滲み出ていて、生きることの難しさを感じました。
森さんは、小説だけでなく、エッセイとして新書としても発売されていて、森さんの考え・思想が書かれています。
そういうこともあってか、もしかして男の主張は、森さんの今までの考え・不満なのかな?と思ってしまいました。
また、主人公の2人が探偵に至った経緯も描かれています。右葉曲折の人生であり、今後どんな「2人」になっていくのか楽しみです。
事件の雰囲気はありつつも、あまり事件という事件は起きないので、これで終わりなのかなと思ったのですが、最後の展開に衝撃が走りました。
「何で?」他に言葉が見つからないくらい、一瞬、時が止まりました。
ただ、こういったことは現実でも起きることであり、こうして犯罪が生まれることに何とも切なさややるせなさを感じました。
新シリーズということで、今度はどんな事件がまっているのか気になります。
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世の中を「食わず嫌い」した青年。馬鹿は誰か?
本の表紙のような美しさは濁った水の上側なのかもしれない。
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社会に絶望した青年の話。
ホームレスという世間的にはよく思われない人に彼はなる。
自由になるというのは簡単であり、この世界で生きていくには難しく、苦しい。
青年にとっての、自由、生きるとはなにか。
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XXシリーズの1作目。
時系列的にはGシリーズ9作目と10作目の間のエピソードぼい。
残念ながら森博嗣作品多すぎて全く追いつけてないので、この9.5にしてGシリーズ初読み(^^;;
勉強不足ではあるが、ストーリーは謎解きという感じでもなく「どうしてそうなった!」な2時間ドラマっぽい読み切りで、初読みでも問題なし。
と言うよりX Xからはじめよう (^^)
ホームレスとして生きる柚原(ゆはら)青年。
彼の調査を依頼された小さな探偵事務所の小川とスタッフの加部谷(かべや)。
複雑な生い立ちなのは〝同情〟に値するし、ホームレスを生きる道としたのも〝自由〟だと思うけど、社会が悪いとか馬鹿だとかに立派な理由付けをしてるわりに、自分を支えてくれた人に対しての感謝がないのは違うな。
下手に〝賢い〟もんだから、自分を特別な人間だと思っている〝愚か〟な青年Fool Lie Bow (風来坊)の〝残念〟な物語。
調査依頼をした柳瀬や、元教授の飯山との関係が焦点というか、その先行きが知りたくてページを捲ったけれど、最終的に全部ぶっ飛んだな…。
加部谷さんが可哀想過ぎる。
今年の23冊目
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表紙の美しさで手に取ったのと、シリーズものと知りながら読んだが、やはりシリーズものとしてて楽しんでいる人向けなのか、話の全容がぼんやりと感じて、最後の部分がヤケに異質に浮かび上がって見えた。
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ホームレスの若者もそれを調べる探偵と依頼者と…
なぜ依頼されたのか、を探る感じ。
でも最後に急展開。
ホームレスの子の言うこともわからんでもないけど…自分は社会に埋もれる人間なので、彼から見たら馬鹿なのかな。どう感想を抱いていいかわからなかった。
まぁでも、読み解いていく感はあって面白かった
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「どうして、世の中には、あれほど筋の通らないことを平気で主張できる人間がいるのだろうか。
こちらから、理由を尋ねても、なにも答えない。都合の悪い場合には、ただ声を大きくして叫ぶだけ。感情で、すべてを押し切ろうとする。まるで、自分たちの感情が正義だと言わんばかりである。これだけ、法治国家、自由主義が発展した現代においても、人間の精神は昔のまま、貧しいままではないか。」
「え、そんな大事な本を、捨てちゃったんですか?」
「大事なのは、書かれている文章です。それは、もう読みましたから、メディアは必要なくなりました」
「メディア?ああ、本のことですね」
「あれが、子供の頃から大嫌いだった。
だから、祖母のことも好きになれなかった。自分を可哀相だと思っている。そういう顔で見る。優しくしてくれる者は、例外なく、哀れんでいるだけだった。同情というのは、人を蔑むことと同じではないだろうか?」
「いつまでも他者に、そしてこの歪んだ社会に依存して生きていくのは、体液が濁るほど潔くない、と理解していた。」
「生きていることに価値がある、と意識させるのは、よくできたプログラムだ。自分も、それに逆らえない。生きている以上、逆らえないような仕組みになっている。優れた機能といわざるをえない。」
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「持つものと持たざるもの、悪いのは誰か」という帯のコメントと綺麗な装丁に惹かれて手に取った一冊。
そして、どっと疲れた読後感。笑
小説なんだけど、新書を読んだあとみたいなかんじ。たぶん人によって好みが分かれる作家さんじゃないかな。あとから名古屋大学工学部で工学博士として勤務してる作家さんって知ってすごく納得。
理知的で、冷静なホームレスの少年。自分の確固たる信念のようなものを持っていて、社会を俯瞰して見ているのだけど、どこか掴みどころがなくて不気味だった。
なぜか説得力のある彼の言は、共感はできないけれど頷けるところもあって、たくさん考えさせられた。
〜*〜〜〜*〜
働いていない人間、金を持っていない人間は、事実上、普通の社会人としては扱ってもらえない。1人でぶらぶら歩いてる自由は、この国にはないようだ。
革命が起きるには、日本の社会は成熟しすぎた、ということだ。
だが、全ての成功には代償が伴う。何かを得ようとすれば、差し出すもの、奪われるものがある。普通に生きるために生き物の摂生が必要なように、築くためには破壊しなくてはならない。
だから、その偉くなった奴らが定めたこの日、この場所だけで、羽目を外して自由になろう、というわけだ。馬鹿じゃないだろうか。そんなものが自由か?
目の前に吊られた餌を、自由だと思って噛み付く連中。馬鹿ばかりだ。馬鹿の社会なのだ。
自由なんて、全部嘘っぽっちなのに。
面白いものは、すべて偽りなのに。
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もしかしてほんまに加部谷恵美に救いってないのか?今回のタイトルは「風来坊」から来てるんだろう。社会から外れた生き方を望むことはできないのか?という確固たるテーマ性を持っている。そして次は「歌の終わりは海」で「尊厳死」か。なるほど。
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新シリーズ。探偵物だけどミステリィではない。
ジャンルはなんだろうな…?
最後、柚原の考えが恐ろしい。理解できない考えではないことが何より恐ろしい。
馬鹿は誰だったのか?
装丁が綺麗。