戦略家の役割を知った
2024/03/31 02:17
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投稿者:かず - この投稿者のレビュー一覧を見る
コンサル会社の運営するyoutubeチャンネルでお薦めされていて知った本。コンサル転職を検討し始めたが、自分に適正があるのか、どういう役割かイメージを具体化したいと思って読んだ。
著者の自伝、当時を俯瞰するコラムや、主人公のつもりで読者ならどう考えるかというワークがあり、戦略コンサルタントがどういう役割を果たす職業なのか、臨場感を持って知ることができた。
戦略以外のコンサルは違うだろうし、戦略でも本書のような業績悪化企業ばかりでもないだろう、現実とは多分に違うのだろうと思いつつ、目指すところがどんな職業なのかはイメージが具体的になった。
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三枝さんの戦略プロフェッショナルが自伝的要素と三枝さんの解説を追加してアップデートされた決定版。
ご自身の最初の就職先である財閥系企業からBCGへの転職、MBA留学、プロテックでの改革が語られる。
自伝的要素はあまり知らなかったけど、草創期のBCGでのアベグレンとの出会い、お別れ会での弔辞的メッセージなどは泣けてくる。まだコンサルが虚業扱いされインターネットもなく情報もないなかでの転職の決断は計り知れない不安感があったと思う。そしてBCGアメリカでの勤務など、トップオブトップのコンサルファームでの働き方はそれはそれで興味深い。そして退職してのMBA留学。決断や覚悟の仕方がやはり一流で、このような腹の括り方が凡人との違いという気もする。
そして、そのあとからのプロテックの改革。これは前著でも語られていることではあるけれど、すでにあるデータを整理、構造化することで課題や進むべき方向性を示していくアプローチはまさに戦略コンサル的。かつ、社員が動くように分かりやすくしめすスキル。プロ経営者とはかくあるべしという感があり、憧れる。
まさに名著。再読は必須。
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備忘録
・そもそも論への回帰
事業改革や新戦略の実行を決めて、想定外のリスクやトラブルに陥ると人々の考えや動きはバラバラになる。死の谷の前兆。その時に重要なのはそもそもの考えや狙いはなんなのか?を反芻すること
・地域の特殊性
社員が業界の特殊性や地域の特殊性の言葉を出す時経営者は黄色信号である。それは新しい考えや戦略に対する抵抗の表現である。
・戦略はシンプルかどうか
市場全体の俯瞰→戦略製品の抽出→製品優位性の確認→価格と利益構造のチェック→戦略ロジックの策定→組織の強み弱み→市場ターゲットの絞り→戦略展開の時間軸→価値観の混乱化→新戦略の実行プログラム
いい戦略はお父さんが家に帰って夕食を食べながら子供に説明してもわかるくらいシンプル
・ジュピター拡販のセグメント魅力度
アドオン方式の感受性とベッド数でセグメンテーションしどこを捨てて、どこを優先するかを選定。
・営業行動におけるコード化
進捗状況をA〜1回訪問などコード化することで進捗状況を見える化
・組織のモノトーン化
行動管理や進捗管理はやりすぎるといわゆる遊びの部分がなく発想が生まれづらくなる。人間的な部分と戦略部分のバランスが大事。
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戦略コンサルからMBA、プロ経営者と転身した著者経歴に基づくほぼノンフィクションで臨場感あり。
戦略フレームワークをいかに応用して実践していくかという点で、戦略立案に留まらない各プロセスでの苦悩が興味深かった。
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・シンプルでわかりやすい論理でリーダーシップを発揮する
・上司から求められたものは必ず100%を返す。できれば120%を返す。その追加20%の付加価値の差が、いずれアマかプロ化の実力の違いにつながっていく
・戦略を組織に落とし込む
1) トップ自らが「ハンズオン」のスタイルで事業組織に立ち入る
2) 経営幹部に対する戦略教育を行う。彼らの戦略リテラシー(戦略の読み書き能力)を画期的に上げることを狙う
3) それを受けてトップと幹部は、熱くなって新戦略を立案する
4) その戦略を彼らは、自らの手で、組織一体になって実行に移す
5) このステップで事業革新を目指すと同時に、経営者人材が育成される
・粗利益を画期的に上げる方法が見つけられないなら「構造的」に魅力のない事業である可能性が高い
・事業の説明
業績→市場の規模、成長率→競合→当社の強み、弱み
・会社を強くするためには、組織の適度な不安定化が常に必要である。それが最大の効果を発揮するためには、同時または先行して、社内に向けて戦略目標が提示されていなければならない。みなさそれに向けて努力を結集し始めたとき、組織の中に「ゆらぎ」がうまれ、それがさらに大きなアンバランスを受容する素地となる。だから問題は、当面の戦略目標を以下に設定し、組織のベクトルを束ねられるかどうかである
・社内のだれもが理解できる「単純な目標」と、その実現を支援するための一連の施策。それによって「目標と現実のギャップ」に橋を架ける。組織の中で「戦略意識」を醸成し、社員が共通の「戦略言語」をしゃべるようにならなくてはならない
・行動管理をうまく活用するためのポイント
1) しつこく実行する。頻度を決め何カ月でもやり続ける
2) 報告対象に「漏れ」や「例外」を作らない。そこから無駄が生まれる
3) 管理チャートの数や種類を少なくする
・抜本改革の時間軸は二年
・不振会社を元気にするために改革を目指す場合、戦略をいじり始める前に、まず「創る、作る、売る」の組織機能が「肥大化」していないかを点検する。事業組織ごとに「創る、作る、売る」のワンセットが含まれていて、自律的に経営のできる小ぶりな体制を整えることを狙う。顧客ないし競合に対して、組織の対応スピードが上がり、自社の強みが最速で発揮されるようなビジネスプロセス・組織のコンセプトを目指す
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今まで働いた上司、先輩たちが口を揃えてオススメしていた本をようやく読みました。
オススメしている理由が分かります。非常に読みやすい部分はあるのですが、それにしても主人公の黒岩がかっこよすぎる。目指していくビジネスマンとして最高にカッコイイ。
年齢的に近いのもあって、早くああなりたいと思った。
また。各種フレームワークなどの実戦での使い方なども書いてある点がすごくよい。これが20年以上前の本だと思うのと、やっぱり必要なことは時代が変わっても変わらないんだと思った
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・日本人でBCGの黎明期に参画した人の伝記。結局大成する人、結果を残す人はリスクを取っている。覚悟が違う。「たとえ失敗してもその時は惨めな思いをするが、
実は同時にも学びを得ており、それが後の人生で役立つ可能性が高い。」「勝負を続けている者になりたい。」「平日夜も週末も働き続けた」
・朝から夜まで一日中、一年365日、時間を見つけては自分を英語漬けにした。
・どんなにつまらない仕事でも一生懸命やる、手抜きしない。上司から求められたものには必ず100%で返した。出来れば120%で返した。この20%の差がアマかプロの差。
・コンサルは高い⇒内部で専門の戦略ブレーン(経営直轄)を置くと、社内でその部署が自己主張を始める。理屈も口も達者な人たちに、他の幹部や現場の長(=部長)は勝てない。そうなれば、事業部は戦略を実行する者という役割に成り下がる。
・粗利益が低いのは、単にコストに比べて高い価格を付けられないから。競争の中で顧客が認めてくれる商品価値がそれだけであるということ。
・自社の説明をするときには、業績⇒市場の規模・成長率⇒競合⇒当社の強みの順。
・その気になってみれば、情報は目の前にたくさんあるもの。それに意味をつけて発信してくれるやつがいるかどうか。
・改革者に対して、幹部たちの素直さは変革の成否を分ける。幹部たちが政治性を発揮した際に、改革者も政治性で対抗してはいけない。あくまで頼りにするのは論理の力。
・まなぬるい会社に共通しているのは、社員のエネルギーが内向していること。客と競合に対する意識が薄い。
・その事業の良し悪しは競合と比べてどうか。社内だけみて良いからではなく、いくらダメでも競合よりはましではあれば、勝っている。
・成長戦略のポイントは絞りと集中。どんな小さな市場セグメントでもいいから、#1になること。集中するためには、組織に無理を強いる、不安を感じさせることもある。そのためにはリーダーあある程度の強引さを感じさせる必要ある。社内の大勢が初めから安らかに受け入れる戦略はダメ。誰もやったことない戦略をやるのだから、リスクはつきもの。夜はグーっと寝れるくらいキモが座っている必要あり。
・価格戦略として、原価に一定%を上乗せして自動的に価格を決めるのはコストプラス方式は、それが対競合戦略として有効かを考えない非戦略的手法。
・将来経営人材を目指すなら、なるべく早く人の上に立つ経験を始めた方が良い。
・事業戦略は実行できなければ意味がない。なので、事業戦略はその組織能力に見合ったものでなければならない。
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経営は論理と気合。
BCGグループの国内採用第1号コンサルタントの著者をモデルとした、黒岩莞太が主人公の経営物語。
中盤では組織と経営の関係を痛感する局面がやってくる。ダイナミックなストーリー展開が面白い。
経営者がどのように介入していくか、社員を巻き込んでいくかという点、見所のひとつである。
【良い戦略】
良い戦略は、シンプル。
お父さんが夕食を食べながら子供に説明しても分かってもらえるくらいシンプル。
社員が「これならできる」と思うレベルまで細分化されていること。
絞りとは捨てること。
【戦略は実行とモニタリング】
アルファベットによる営業進捗管理、事業部に共通言語を創るという情報革命はとても魅力的。
戦略は実行ありき。実行は管理ありき。
仕組みがないと、頑張ってる、の進捗しか聞けないだろう。
管理の仕組みをシンプルであることが鉄則。
【戦略と組織】
黒岩氏の最大の学びは、戦略と組織の密接な関係。
事業改革の2軸である。
どちらが欠けても改革は成し得ない。
経営は生き物。戦略(論理)と組織(気合)の両輪を磨くことが、彼が辿り着いた経営の普遍の原則。
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コンサルタントとしての価値は持っているフレームワークの数で決まる。実際のコンサルタントの仕事の仕方を身近に感じながら学べる
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事業再生プロフェッショナルの要諦が、わかりやすい文体で書かれており頭にすーっと入りやすかった。時に辛辣な言葉でリーダー、経営者に必要な覚悟を感じ、論理性と情熱を2軸に、座学にてしっかりと戦略フレームワークを学ぶ事とリアルではシンプルな戦略、目標の達成にとことんこだわる実行力が大事なんだと学んだ。
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戦略設計から実行までのプロセスとフレームワークが、事実かつ物語の形式で語られるから、イメージを持ちやすくわかりやすい。
ジャンルは違えど、自分の関わるサービスでも事業戦略の立て直しの参考にできる部分が多かった。
この本の場合、著者自身の人生と、今に至るまでの経験やマインド形成についても多くの紙幅を使っているが、年齢的にやや焦りを感じるプロフェッショナルさ。
後追いながらに、自分も少し頑張ってみようか、みたいな気持ちにもさせてもらえるはず。
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この本は、旧版から数えれば、私が社会人になった20年前から何度も何度も手に取って読み返している。
主人公はMBAを持った30代半ばのビジネスマンで、まさに戦略を武器にして、停滞したビジネスに風穴を開け、大成功を勝ち取っていく。私が本書を最初に手に取った頃はまだ新人で、いつかはこんなかっこいい仕事ができるようになりたいと思いながら仕事をしていた。
いつの間にか、自分も40半ばになり、この本の主人公の年齢を遥かに超えてしまった。実力はどうだろう?
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一経営者の伝記でもあり、戦略論を学べるケースでもあり、稀有な一冊。
フレームワークの使い方など実践的な気づきもあったが、戦略を立案してそれを組織に根付かせる経営者の重責が垣間見えたのがよかった。
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昔の文庫版読んだ
企業の復活に必要なこと、経営コンサルに必要なことがストーリーを通じて学べる
アツい話
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多くはないが、自分のやる気に火を付ける言葉多数。
三枝さんの人生の一部が黒岩莞太というキャラクターに置き換えられているので読み易かった。
●私が考えるこの本の結論
・高い目標を持ち、手を抜かず、努力を続けること
①この本を読んだ目的
・三枝さんの人生から何かを学びを得たかったため
②学んだこと
・大きな改革はそれまでの社員の価値観や行動に変更を迫るものだから、
社員が痛みを感じるのは当然だ。論理が十分に強く、成功の確率が高いと思われ、
しかもリーダーの語りに熱さを感じれば、皆は「よし、やってみよう」という意識になっていく。
しかしそうならない人や、陰で改革努力をサボる人は、経営幹部クラスの中にさえいる。
その現実の中で、改革リーダーは密かに待ち受けている「死の谷」をうまく越えていかなければならない。
└ 論理が十分に強く、成功の確率を高めることが自分の仕事
・居心地の良い環境に甘え、毎日グチをこぼし、周囲に同化していく自分を、
まずはそこから解放することが先
・小澤征爾は、スクーターでユーラシア大陸を横断して欧州に行き、カラヤンに師事し、
次いで米国でバーンスタインに師事した後、そこから世界的マエストロにデビューしていった。
わずか二〇代で日本最高峰のオーケストラ NHK交響楽団を指揮した。
しかし楽団員と衝突して、追われるようにN響を去った。
└ パンク過ぎる
・黒岩は拍手をしながら自分の眼から溢れてくるものを止められなかった。
彼には小澤征爾が自分の境遇と重なって見えた。彼は日本のエスタブリッシュメントと決別し、
外れ者として欧米に活路を求めた。その日本人が、いま、外国人の楽団員と正装の聴衆に囲まれ、
舞台の上で一人喝采を浴びている。才能だけじゃないはずだ。
ここまで来るのに、彼はどれほどの孤独の壁を越えてきたことだろう。
黒岩は思い切り背中を叩かれた。帰りの地下鉄にすぐ乗る気になれず、ボストンの夜道を歩き回った。
「頑張らなきゃ。こんなところで負けちゃいけないんだ」とつぶやき続けた。
└ 自分の悩みなんて本当にちっぽけだ
・「自分の人生の野心とは何だろう。まだ見えない。しかし自分は野心を抱き、勝負を続けていける者になりたい」
└ 勝負は続けよう
・戦略の要諦曰く、強くなりたければ、人の後ろを追いかけるな、創造的ゲームを仕掛けろ、であります。
・粗利益率の重要性
・予測を当てた時の、してやったりの満足感。それが戦略プロフェッショナルの醍醐味。
└ 自分もこれをマーケティングでやりたい!
★仮説は生煮えのままで良い
★「戦略プロフェッショナル」の条件
(1)トップとして、強いリーダーシップを発揮する「覚悟」があること。
その目標がなぜ達成されなければならないかを部下に説明し、
士気を鼓舞し、創意工夫を促し、「共に考え、共に戦う気概」を見せなければならない。
(2)新しい戦略を考え出す「作業手順を���スター」していること。作業のステップごとに、
どんな選択肢があるのかきちんとチェックし、責任者として、その都度、意思決定をしていく。
それを詰めていく「緻密さ」を持っていること。
(3)誰もやったことのない新しい戦略を実行に移そうというのだから、
多少のリスクは気にせず、また何があっても「夜はグーグーとよく眠れる」性格であること。
・良い戦略はシンプル
・画期的な成果を収めるマーケティング戦略は、
しばしば、営業マンのそれまでの常識や習性を「逆撫で」する内容を持っている。
└ 結局イカれた施策が画期的に物事を変える
・三枝さんにも承認欲求があった(結論だれにだって承認欲求はある)
└ 黒岩の正直な気持ちを明かせば、彼は A社長から「この会社の経営を、あの行き詰まり状態から、
よくここまでもってきてくれた。ありがとう」と言って欲しかった。しかしその言葉はなかった。
・彼は自分が経営トップとして改革を推進すれば、それが社員それぞれの能力を引き上げる機会になり、
皆もそれに生き甲斐を感じて、苦しくても頑張ってくれるだろうと、心底、思っていた。
ところがどっこい。改革などは迷惑なことで、自分は普通の勤務がしたいだけだという人が結構いる。
その感覚に染まってしまえば、改革への強い同感や切迫感を抱くことなどできない。
黒岩は自分の会社でもその点は同じなのだという現実をこの事件で思い知った。
└ その通り、適材適所
・【個人の生き方】人々が会社で働くとき、それぞれが違う価値観や人生観を持ち、
上方志向の強さ弱さもバラバラである。経営者がいくら自分の理念や考え方を語ったところで、
社員は改革者と同じ動機で動いてくれているとは限らない。黒岩莞太はそのことを、
経営者の初陣を日本で四年間務めたところで、ようやく、痛みをもって厳しく認識した。
③読書からのアクションプラン
・「戦略プロフェッショナル」の条件は何度も読み直す
★論理が十分に強く、成功の確率を高めてチームを導く
・居心地の良い環境から自分を解放する(常に意識しておく)
・高い目標を持て
・手抜きをしない
└ 上司から求められたものは必ず100%返す、できれば120%で返す
この20%の違いがプロかアマの実力の違いに繋がっていく
・リスクを取れ
・学んだままで終わらず、自論と仮説を組み合わせて、実践しろ
・叱っても社員のマインドは変わらない、論理的に話し、自発的に行動させるようにする
・何があっても「夜はグーグーとよく眠れる」性格であろう
・社員はそれぞれ適性や志向の違いがあるので、一律に高い目標や役割を課すことは避ける。
個人に対し、個人能力と適性に見合った役回りを設定することにもっと配慮する。
・どれだけ多忙でも、年をとっても、偉くなっても、面倒な表情を見せることはしない
└ LIKE A 板垣與一(経済学者、富山新湊出身!)