橘玲の(月刊)おとなニュース
2010/10/16 16:51
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:rindajones - この投稿者のレビュー一覧を見る
ものごとを分かりやすく伝えられる人は、そのものごとを理解している人。けれども、単純にし過ぎて誤解を生む表現の場合もあるし、そもそも正しい解説ではない場合もある。更には、「分かりやすく」は「興味を持てる様に」とほぼ同じでなければならない。
行動経済学、囚人のジレンマ、ネットワーク経済学、社会心理学、ゲーデルの不完全性定理
という言葉で何をイメージするでしょうか。私は本書を読んでから、すっかり亜玖夢博士の物語を真っ先に思い浮かべるようになりました。
このような言葉の厳格な意味を知っている必要はないと思う、あたかも受験勉強の如く覚える必要もない。その概念や主張していることを漠然と理解すれば良いのではないのでしょうか。正に、この物語で思い出す程度の理解で良いと思います。そして生活に、人生に役立てればよいのです。
人間というものを一概に分別することは危険ですが、人類の叡智である程度は人間というもの、厳密にはその行動や心理は解説できるものなんだと、本書を読んで少しだけ確信できた。何よりも、このようにアカデミックに人間の行動を分析すると、次の自分の一手を決める際に非常に冷静になれる。
「子どもニュース」など、子どもを介して難しいことを解説する企画が目に付く。悪いことではないが、所詮子ども目線の表現に留まるし、本当に深いところ(そこにしか真実はないのだが...)には触れることが出来ない。
本書は「子どもニュース」の「大人版」という、裏の裏は表みたいな...。本書の面白さは「ガキども」には絶対に分からない、それは大人の特権なのです。つまり、知識や経験の積み重ねでしか楽しめないものです。それは人生を楽しむことと、ちょっぴり似ていると思いませんか?
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投稿者:IGBS - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストーリーもさることながら、設定が奇抜過ぎて、
目次のテーマがあたまに入ってこない
真剣に経財のトピックを勉強したいヒトにはちょっと向かないかな。
息抜きにさらっと読む程度の期待値で接するとちょうどよい。
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この本は全体の雰囲気が昭和な感じがした。他のレビューに物語については多くの書き込みがあるので、それは割愛する。この物語を構成する理論的なものに全く興味が無かったとしても、一読することを強く薦めたい。こういった小難しい理論を、実際には日常的にかつ普遍的に多くの人は体験しているし、考えているのではないだろうか。しかし、それを論理的に考えている訳ではない。それをこの本は「実はそれってこういうことなのさ」と軽く面白く教えてくれる。次回作にも期待する。
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経済理論を、ありえない設定で
でも、分かり易く交えた短編。
毒有りで、ニタリとなる上、
図解つきなので、分かりやすい。
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いままで行動経済学やゲーム理論の本で読んだ内容が小説になってておもしろかった。
あと、マルチ商法のところでは、
過去の偉人達の功績を最大限に生かしたものなんだとおもうと皮肉だけど、おもしろいし人類の進歩を感じた。
ネットワーク理論のところでは、ひどいいじめとネットワーク理論を展開。
橘玲の別の本で都心で公立学校に行かせてはいけないっていってたけど、そんな思いがよく表れているとおもった。
ゲーデルの不完全性定理はなんとなく言いたいことわかるようでわからない。考えてるうちに混乱してしまった。。。
こんなにいろんなジャンルの知識を駆使した小説がかけるなんて、
ほんと橘玲ってかっこいい。
会ってみたいなー。
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なにやら理論っぽいものがわかったような気になり、かつ、物語として成り立っていて、一粒で2度美味しかったです。
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教科書で読むとピンと来ずにむずかしい理論がアラ不思議。
えげつなくも面白い(ときにホロリとする)エピソードですっと入り込めちゃいます。
とにかく小説としても面白く、ひとつひとつのエピソードは短く読みやすいので、笑いたい方にもオススメ。
それにしても、借金で首が回らなくなった人に「もっと借りて自己破産すればいいんだよ!」なんて…すごいな(笑)
(もちろんこれはフィクションで、あくまで理論の説明です。それが「良い生き方」「みんなも破産しよう」なんて書かれているわけではありませんよ、もちろん)
現実が美しく描かれすぎないところ、勧善懲悪でもないところも、クールで皮肉で実践派らしくていい感じ。
ここから興味を持って勉強してみるのも良いのでは?
私はゲーデルを読んでみたくなりました。絶対理解できないと思うけれど(笑)
あー、続きも読みたい。
2010/8/18 読了
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経済入門書としても実例がリアルでスッと入ってくるが、キャラクターと文体が良くって小説としてもナイス。リンレイのキャラが気に入った。ファッションも何故か西城秀樹風。ネットワーク経済学のいじめの処方箋が興味深かった。
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「行動経済学」「囚人のジレンマ」等々、経済学を少しでも覗いた事があれば読み進めるなかでニヤリとできます。
ストーリーもちょっとブラックですが、悪玖夢博士をはじめとした登場人物が魅力的で一気読みしてしまいました。
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ゲーム理論や行動経済学など、様々な経済学理論を強烈なキャラクターたちが登場する物語で解説。"使える"経済学知識が身につきます。
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橘玲さんのフィクション作品。
経済に関する実は知られていない事実がすっごくダークに描かれていて、面白くていっき読みできる。
文庫版で安くなったのも○。
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おすすめ度:85点
経済理論を柱にして、ニッポンの裏社会の舞台を描く。
歌舞伎町のヤクザ社会、中国マフィアのネットワークを背景に、自己破産、暴力団の縄張り争い、小学生のいじめ、マルチ商法といった問題が取り上げられている。
それぞれの章が別立てで語られていたものが、最終章で結実される見事な構成となっている。
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経済理論を小説に織り交ぜて説明した本。
わかりすい。
物語の展開がどれも似ていて物語の観点で言えばあまり面白くない。
でも、経済理論の説明という点でみれば他の本にくればえ噛み砕いたかたちで説明されていてわかりすくて良いと思います。
まさしく経済入門の本としてふさわしいものと思います。
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あとがきに、「経済学入門の教科書に」とありますが、これなら1年の最初に大学での勉強をリタイアすることはないはず。
行動経済学、囚人のジレンマ、社会心理学など、聞いたことはあるけど・・・・っていう話を、小説でわかりやすく。入りやすい設定で。
まぁあくまで入門書。
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非常に分かりやすい経済本として、ごくごく初歩のさらにまた入門編として経済学に興味をもつのには持ってこいの一冊。
ただ、あまり救われない話が多く、最後まで読めない人がいるかも。。。
金融関係の話がいくつか出てきますが、今後の金融関係法令の整備次第では少し齟齬があるかもしれません。
しかし、全体としてはブラックユーモアに満ち満ちた良作でした。
軽く読めてしまう本にもかかわらず、行動経済学やネットワーク経済学など一通り分かったつもりになれるのが、面白い。